映画「春画先生」、柄本佑、白川和子、安達祐実が出演 追加キャスト発表

(2023年6月20日11:30)

映画「春画先生」、柄本佑、白川和子、安達祐実が出演 追加キャスト発表
左から白川和子、柄本佑、安達祐実

主演・内野聖陽、北香那共演の映画「春画先生」(塩田明彦監督、10 月 13 日公開)の追加キャストがこのほど発表になった。柄本佑、白川和子、安達祐実が出演する。

昨年 9 月に撮影を行った本作は、江戸文化の裏の華である“笑い画”とも言われた春画の奥深い魅力を、真面目に説く変わり者の春画研究者と、しっかり者の弟子という師弟コンビが繰り広げる春画愛をコミカルに描く。
主演に内野聖陽、ヒロインに北香那を迎え、「月光の囁き」(99)、「害虫」(02)などの先鋭的な作品で映画ファンを唸らせてきた名匠・塩田明彦が監督・脚本を手掛ける。

春画は江戸幕府から禁止された、禁制品で表に出ないものだったからこそ、自由な創作が可能となり、とどまることを知らぬ芸術の域に達して、庶民から大名までを虜にした真の江戸時代のエンターテイメントだった。これまでその取扱いは日本映画でもタブーとされ、性器部分の描写は映倫審査でボカし加工が必要だった。
しかし、本作は、映倫審査で区分【R15+】として指定を受け、商業映画として全国公開される作品としては、日本映画史上初、無修正での浮世絵春画描写が実現した。その自由な精神を現代に映画として表現することを目指して制作された「春画先生」。「好きなものにのめり込んでいく者たちの幸せ」としての究極の「推し活」を描く異色の偏愛コメディが誕生した。

今回発表された追加キャストは、芳賀(内野聖陽)が遅々と執筆する「春画大全」の編集者で芳賀の執筆意欲を取り戻すため公私の境なく奔走する辻村俊介役に、日本映画界になくてはならない存在の柄本佑。芳賀家三代にわたり仕える本郷絹代役に、1967 年のデビューから映画界で長年功績を重ねる白川和子。芳賀の亡妻伊都の姉で芳賀と弓子にある試練を与える藤村一葉役に、同世代女性層から人気を誇る安達祐実といった強者ともいうべき豪華な演技者たちが集結。怪演する内野聖陽、北香那をさらに深みへ導く。

【あらすじ】
”春画先生”と呼ばれる変わり者で有名な研究者・芳賀一郎は、妻に先立たれ世捨て人のように、一人研究に没頭していた。退屈な日々を過ごしていた春野弓子は、芳賀から春画鑑賞を学び、その奥深い魅力に心を奪われ芳賀に恋心を抱いていく。やがて芳賀が執筆する「春画大全」を早く完成させようと躍起になる編集者・辻村や、芳賀の亡き妻の姉・一葉の登場で大きな波乱が巻き起こる。それは弓子の“覚醒”のはじまりだった―。

【春画とは】
肉筆や木版画で描かれ、平安時代からはじまり江戸時代の木版画技術の発達で全盛期を迎えた人間の性的な交わりを描いた画。描いた絵師も鈴木春信,鳥居清長,喜多川歌麿,葛飾北斎,歌川国貞など、著名な浮世絵師のほとんどが春画を手がけていた。江戸時代、春画は“笑い画”とも言われ単に好色な男性のためのものではなく,身分を問わず多くの老若男女が娯楽として愛好した。その根底には明治時代以降西洋化でのキリスト教文化流入以前の日本人が持っていたとされる性をおおらかに肯定する精神が横溢している。超一流から無名まで多くの絵師、彫師、刷師たちが、表の浮世絵で発揮できない、その持てる全画 力と全精力、技巧を注いでとことん真面目に人の性を“笑い”や“風刺”として表現した作品が数多く現存するが、本物が展示される機会はまだ少なく、2015~16 年東京と京都で開催された「春画展」以降、大規模な展覧会は開催されていない。

【キャストプロフィール&コメント】

■柄本佑(えもとたすく):辻本俊介役
<コメント>
通称いい加減な色男・辻村俊介を演りました柄本です。これ僕が言っているのではなく塩田監督が衣装合わせの時に辻村に与えた通称です。しかし、まさしくそれがしっくりとき ました。台本上に居る辻村はイケメンではなく、まさに色男でした。頑張りました。是非映画館で塩田監督による軽妙洒脱艶っ艶色春画噺をお楽しみ下さい。(ナンノコッチャ)
<プロフィール>
1986 年東京都生まれ、東京出身。映画「美しい夏キリシマ」(03)で映画主演デビュー。 2018 年「きみの鳥はうたえる」、「素敵なダイナマイトスキャンダル」、「ポルトの恋人たち -時の記憶-」により、キネマ旬報ベスト・テン主演男優賞、毎日映画コンクール男優主演 賞などを受賞。その他、主な出演作に「火口のふたり」(19)、「アルキメデスの大戦」 (19)、「痛くない死に方」(21)、「心の傷を癒すということ-劇場版-」(21)、「殺すな」 (22)、「ハケンアニメ!」(22)、「シン・仮面ライダー」(23)など。また監督作品として「帰 郷★プレスリー」(09)、「夜明け」(「アクターズ・ショート・フィルム」(21/WOWOW)、 「ippo」(23)などがある。公開待機作として「花腐し」(23 年冬公開)、2024 年大河ドラ マ「光る君へ」がある。

■白川和子(しらかわかずこ):本郷絹代役
<コメント>
脚本を読み終え、50 年程前の撮影現場に引き戻され、新鮮な気持ちにさせて頂きました。 「春画」のおおらかさ、遊び心に少しでもお役にたてればとの思いで、本郷絹代役に挑戦! 75 歳のおばあさんですが、北香那さん演じる春野弓子に嫉妬する女心が少しでも表現出来れば…私の飽くなき挑戦は続きます。性の美学「春画先生」に乞うご期待ください。
<プロフィール>
1947 年 9 月 30 日生まれ、長崎県出身。「女子寮」で映画デビュー。日活ロマンポル ノ「団地妻」シリーズで人気を獲得し、映画やテレビ、舞台を中心に活躍。主な映画の 出演作に、「青春の殺人者」(76)、「復讐するは我にあり」(79)、映画「凶悪」(13)、 「少女」(16)、「光」(17)、「恋のいばら」(23)、「山女」(23)などがある。ドラマでは、 「夏子の酒」(94)、「白線流し」(96)、「Dr.コトー診療所」(03)、「我らがパラダイス」 (23)、「罠の戦争」(23)など。第 21 回日本映画批評家大賞「ゴールデングローリー 賞」受賞、第 73 回毎日映画コンクール「田中絹代賞」受賞。

■安達祐実(あだちゆみ):藤村一葉役
<コメント>
私が演じた藤村一葉は、芳賀と弓子を更なる深みへと誘い込む役です。三人の関係はとても特異ではありますが、芳賀と弓子にとって、一葉はなくてはならない存在であり、そこに流れている愛や時間はとても尊いものだと思えて来ます。三人の場面の撮影は、濃密な共犯関係のような空気が流れ、せつなくも楽しい時間でした。塩田明彦監督の世界を、たっぷりと楽しんでいただけたらと思います。
<プロフィール>
1981 年生まれ、東京都出身。2 歳でモデルとしてデビューし、子役としてドラマ 「家なき子」(94)などで国民的な人気を博す。その後も俳優として着実にキャリア を 積 む 。 主 な 出 演 作 と して 、「野 の な な なの か 」( 14 ) 、「 花 宵 道 中 」( 14 ) 、「TOKYO デシベル」(17)、「樹海村」(21)、「極主夫道 ザ・シネマ」(22)、「零 落」(23)など数多くの作品に出演。近年はアパレルブランドのプロデュースを手 がけるなど多分野で才能を発揮している。公開待機作に、「アイスクリームフィーバー」(23 年7月14日公開)が控えている。