ウディ・アレン監督、長編映画50作目の最新作で引退か

(2024年4月8日11:45)

ウディ・アレン監督、長編映画50作目の最新作で引退か
ウディ・アレン監督(左から2人目)(Instagram/@woodyallenofficial)

「アニー・ホール」など数多くの名作で知られるウディ・アレン監督(88)が長編映画50作目となる「Coup de Chance」(原題)を最後に監督を引退する可能性を報じられた。

米サイトTMZによると、アレン監督は5日(現地時間)、「AirMail」のインタビューで、同日に米国で公開された「Coup de Chance」のプロモーションをしながら、映画業界の現状を嘆いたという。

自分の映画を取り巻く配給の問題を気にしているかと尋ねられたアレンは、「あまり気にしていない」と答えたという。アレン監督の作品は、近年は米国で広く公開されることななくなっているという。

さらに、「新しい映画を作るためにお金をねだるのはもうやめた」と引退の可能性について言及したという。
アレン監督は昨年秋に、養女への性的虐待を告発する人々が現れて以来、長年荒れんを悩ませてきた話題に対して怒りを表明した時にも、同じ様な発言をしたという。いずれにせよアレンは映画から離れることを嫌がってはいないようだと同サイトは指摘した。

アレン監督は、女優のミア・ファローと交際中に彼女の幼女スン・イーとの関係が発覚してファローと裁判沙汰になり、後にスン・イーと結婚した。また1992年に、養女ディランから性的虐待を告発され、近年の「#MeToo」運動の広がりで同問題が再燃していた。
アレン監督は、監督・脚本を担当して俳優としても出演した「アニー・ホール」(77)でアカデミー賞監督賞、脚本賞、ダイアン・キートンの主演女優賞を受賞し、1年間のロングランとなるヒットとなった。その後も、「インテリア」(78)、「マンハッタン」(79)、「マッチポイント」(08)、「ミッドナイト・イン・パリ」(11)、ケイト・ブランシェットがアカデミー賞主演女優賞を受賞した「ブルー・ジャスミン」(13年)などのヒット作、名作を手掛け、アカデミー賞史上最多の24回ノミネートされ、監督賞を1度、脚本賞を3度受賞した。

ウディ・アレン監督、長編映画50作目の最新作で映画引退か
「Coup de Chance」のポスター・ビジュアル(Instagram/@woodyallenofficial)

「Coup de Chance」はアレンの脚本・監督によるコメデイ・スリラー。すてを手に入れた理想的なカップルのファニーとジャンだったが、ファニーが高校時代の友人アランと再会したことで、複雑な状況になるという内容。ルー・ド・ラージュ、ヴァレリー・ルメルシエ、メルヴィル・プポーなどのキャスト。昨年9月4日、第80回ヴェネツィア国際映画祭でプレミア上映され、同年9月27日にフランスで公開された。「Coup de Chance」が最後のアレン映画となるのか、アレン監督の去就が注目される。