エド・シーラン、著作権侵害裁判で勝訴  無罪評決を受け「私は誰の貯金箱でもない」

(2023年5月5日11:00)

エド・シーラン、著作権侵害裁判で勝訴  無罪評決を受け「私は誰の貯金箱でもない
エド・シーラン(Instagram/@teddysphotos)

英シンガーソングライター、エド・シーラン(32)の「シンキング・アウト・ラウド」(原題:Thinking Out Loud)がマーヴィン・ゲイの「レッツ・ゲット・イット・オン」(原題:Let's Get it On) の盗用だとして関係者が著作権侵害で訴えていた裁判で、ニューヨークのマンハッタン連邦裁判所の陪審は4日(現地時間)、著作権侵害には当たらないとする”無罪”の評決を下した。米メディアが報じた。

米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、シーランは評決後に裁判所の外で記者会見して、用意した声明文を読み上げながら、2014年の楽曲 「シンキング・アウト・ラウド」がゲイの1973年のR&B名曲をコピーしたと非難されたことについて「生計を立てるために多くの労力を費やしてきたのに、他人の曲を盗んだと訴えられるのは壊滅的なことだった」と語ったという。

そして「私は、人々が楽しむために音楽を書くことを愛するギターを持ったただの男です 。私は、誰かが揺さぶるための貯金箱になることを決して許さない」と原告を非難した。

シーランは、自分の曲が独自に創作されたもので「レッツ・ゲット・イット・オン」からの盗用ではないとする評決を聞きいたとき、法廷で顔を覆い、立ち上がって弁護士と抱き合ったという。「著作権侵害が認められたらもう終わりだ」と引退も覚悟していたシーランだったが「裁判の結果には当然ながらとても満足していますし、結局、本業から引退する必要はなさそうです」と語った。

原告は、音楽学者アレクサンダー・スチュワートと、ゲイと「レッツ・ゲット・イット・オン」を共作した故エド・タウンゼントの娘のキャサリン・タウンゼント・グリフィンで、シーランの曲「シンキング・アウト・ラウド」の最初の24秒がマーヴィン・ゲイ(1984年、44歳没)の「レッツ・ゲット・イット・オン」の冒頭に似ており盗用と主張していた。