第78回ゴールデングローブ賞、チャドウィック・ボーズマンさん遺作で主演男優賞 未亡人が感動スピーチ

(2021年3月1日23:30)

アカデミー賞の前哨戦といわれる第78回ゴールデングローブ賞の授賞式が2月28日(現地時間)、リモートで開催され、昨年8月に43歳の若さで死去したチャドウィック・ボーズマンさんが遺作となった「マ・レイニーのブラックボトム」で主演男優賞(ドラマ部門)に選ばれ、未亡人が代理で受賞して感動的なスピーチをした。またジョディ・フォスター(58)が「ザ・モーリタニアン」で助演女優賞を受賞して妻のヘディソン(51)と一緒に自宅で受賞を喜びキスをして祝福した。作品賞(ドラマ部門)は「ノマドランド」が受賞した。

米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、最優秀主演男優賞(ドラマ部門)は昨年8月に大腸がんのため43歳の若さで死去したチャドウィック・ボーズマンさんが「マ・レイニーのブラックボトム」の演技で受賞し、ボーズマンさんが亡くなる数か月前に密かに結婚していた歌手のテイラー・シモン・リードワードさんが代理で受け取り、涙ながらに「彼は神に感謝するでしょう。彼は両親に感謝するでしょう。先祖たちの導きと犠牲に感謝するでしょう」と感動的なスピーチした。亡くなった時に「ブラックパンサー」のスター、ボーズマンさんは「信じられないほど素晴らしいチームと映画に関わったすべての人に感謝する」と語っていたと明かした。
「彼は何か美しい事やインスパイアされるようなことを言ったでしょう」と言ってレドワードさんは泣いた。そして「私たちの中にある小さな声を増幅させるような何かを、あなたはできると。それは前進し続けることを教えてくれます。歴史の中のこの瞬間に何をすべきかを呼び起こしてくれるでしょう」と語った。

■ジョディ・フォスターはパジャマ姿で受賞

「マ・レイニーのブラックボトム」は1920年代のシカゴが舞台で、「ブルースの母」といわれた実在の歌手マ・レイニーのドラマを描いたNetflixのオリジナル作品(配信中)で、ボーズマンさんは彼女のバックバンドのトランペット奏者を演じた。この作品はボーズマンさんの遺作となった。

ジョディ・フォスター(58)は映画「ザ・モーリタニアン」で助演女優賞を受賞。女優で映画監督の妻アレクサンドラ・ヘディソン(51)とアツいキスを交わして受賞を喜んだ。「告発の行方」(1988年)、「羊たちの沈黙」(1992年)で2度主演女優賞(ドラマ部門)を受賞し、2013年に長年にわたってエンターテインメントの世界で傑出した貢献をした人物に贈られるセシル・B・デミル賞受賞に続く3度目のゴールデングローブ賞の受賞となった。

2013年の第70回ゴールデングローブ賞授賞式でセシル・B・デミル賞を受賞しスピーチで同性愛者であることを事実上カミングアウトしてから8年、フォスターは「私は妻を愛しています。ありがとう、アレックス!」と感謝し、ヘディソンと愛犬と一緒にソファで受賞のスピーチをした。

2013年の授賞式でフォスターは「今まで公の場では言えなかったことを突然言いたくなってしまったの。だから、声を大にして誇りを持って発表するつもりよ。あなたのサポートが必要なの」と当時交際していた映画プロデュ―サー、シドニー・バーナードに公に感謝の意を表して事実上のカミングアウトと報じられたが、彼女とはその後破局した。

■第70回ゴールデングローブ賞の主な受賞

【映画部門】
最優秀作品賞(ドラマ) 「ノマドランド」
最優秀作品賞(コメディ/ミュージカル) 「続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカの貢ぎ物計画」
最優秀主演男優賞(ドラマ) チャドウィック・ボーズマン(「マ・レイニーのブラックボトム」)
最優秀主演女優賞(ドラマ) アンドラ・デイ(「The United States vs。Billie Holiday」)
最優秀主演男優賞(コメディ/ミュージカル) サーシャ・バロン・コーエン(「続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカの貢ぎ物計画」)
最優秀主演女優賞(コメディ/ミュージカル) ロザムンド・パイク(「I Care a Lot」)
最優秀助演男優賞 ダニエル・カルーヤ(「Judas and the Black Messiah」)
最優秀助演女優賞 ジョディ・フォスター(「ザ・モーリタニアン」)
最優秀監督賞   クロエ・ジャオ(「ノマドランド」)
最優秀外国語映画賞 「ミナリ」(アメリカ)