米大学不正入学事件で女優ロリ・ロックリン被告に禁固2か月と罰金1600万円

(2020年5月22日)

米人気女優らセレブの子息の大規模な大学不正入学事件で21日(現地時間)、ドラマ「フルハウス」などで知られる女優ロリ・ロックリン被告(54)は罪を認めて禁固2か月などの刑で合意した。ロックリン夫妻は無罪で争っていたが長期刑が予想されることから白旗を上げた格好だ。

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Moss and Lori forever❣

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米芸能サイト「TMZ」によると、ロックリン被告は大学不正入試の郵便・通信詐欺の共謀罪を認め、禁固2か月と罰金15万ドル(約1620万円)、保護観察2年、社会奉仕250時間で同意した。共犯の夫でファッションデザイナーのモッシモ・ジャヌリ被告(56)は禁固5か月、罰金25万ドル(約2700万円)、社会奉仕250時間となった。

ロックリン夫妻は当初無罪を主張して法廷で徹底抗戦する構えを見せていたが、FBIは、彼らが抵抗を続けている間に訴追事項を追加し続けた。そして、すべての罪で有罪判決を受けた場合は、40年以上の禁固刑になる可能性があり、罪を認めて減刑してもらう方針に転換したという。コロナ感染拡大が続く中、刑務所ではなく自宅軟禁を申請する可能性もあるという。

ロックリン夫妻は2019年3月、娘2人を名門の南カリフォルニア大学に裏口入学させるため、経歴を偽るなどして同校ボート部にスカウトで入学するために仲介者の大学入試コンサルタント、ウィリアム・シンガー被告に合計50万ドル(約5400万円)を支払った疑いで訴追された。ロックリンは3月13日に逮捕され、保釈金100万ドル(約1億800万円)を納めて同日保釈された。 夫モッシモも共犯で逮捕され、100万ドルの保釈金を納めて保釈された。

大学不正入学事件ではドラマ「デスパレートな妻たち」などで知られる米人気女優フェリシティ・ハフマン(57)も娘を大学に不正入学させたとして禁固14日、罰金3万ドル(約320万円)、250時間の社会奉仕の実刑判決を受けた。昨年10月、米カリフォルニア州ダブリンの連邦矯正施設に収容され刑期を終えた。ハフマンは2019年3月に仲介者のウィリアム・シンガーに1万5000ドル(約165万円)を支払って、長女のSAT(大学適性試験)の点数を上乗せさせた贈賄などの罪で起訴された。

■郵便・通信詐欺とは

ロックリン被告の罪名、郵便・通信詐欺と共謀罪は聞きなれない罪名だが、米国の連邦犯罪で「他人から金銭や財産を奪う目的で、詐欺のスキームや策略を考え、その実行のために、州際(米国内で州と州をまたぐこと)又は国際的な配達手段や電子通信を使用する行為を処罰するもの」(法と経済のジャーナル)だという。

■大学不正入試事件

受験生の親たちが総額で2500万ドル(約28億円)を仲介者の大学入試コンサルタント、ウィリアム・シンガーに払い、ハーバード大、エール大、南カリフォルニア大、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)など難関のエリート大学に裏口入学させたとされる。シンガー被告は大学の関係者らに賄賂を渡して替え玉受験や点数操作などの手口を駆使して裏口入学を実行したとされる。
ハフマン被告と女優ロリ・ロックリン被告を含む33人の受験生の親と仲介者、大学関係者計50人が起訴される史上最悪の裏口入学事件に発展して全米に波紋を広げた。