タイガー・ウッズが自動車事故 車大破し重傷「生きているのはとても幸運」

(2021年2月24日13:00)

タイガー・ウッズが自動車事故 車大破し重傷「生きているのはとても幸運」
(タイガーの事故を報じる米紙ニューヨーク・ポスト電子版)

プロゴルファーのタイガー・ウッズ(45)が23日朝(現地時間)、ロサンゼルス郊外で運転していた車が横転して大破する事故があり病院に搬送された。ウッズは両脚を複雑骨折するなど重傷を負い手術を受けたが命に別状はないという。現場で救出作業に当たった関係者は「生きているのはとても幸運だった」などと語った。

ウッズが運転していたSUVのジェネシスGV80は中央分離帯を超えて縁石に乗り上げ、数回回転して道路わきの茂みに突っ込んだとみられる。カーブの多い急な下り坂を高速で走行していて制御を失ったとみられる。同乗者はいなかった。

米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、救急車が到着する前に事故現場に最初に到着した保安官代理のカルロス・ゴンザレスさんは「私は多くの衝突事故を見てきたが、彼の車の性能とシートベルトを着用していたことが彼の命を救うことにつながった可能性が高い」と語った。「ウッズ氏が生きて車から出てくることができたことは非常に幸運だった。これはまた、現代の自動車の驚異の一種だと思う」と指摘した。ゴンザレスさんが現場に到着したとき、ウッズはジェネシスGV80の運転席にシートベルトでつながれていたという。「彼はまだ冷静で意識がはっきりしていた。私は彼に話しかけ、彼を落ち着かせようとした」とゴンザレスは振り返った。「私は彼の名前を尋ねた、彼はタイガーだと私に言った。その瞬間に私はすぐに彼が誰なのか分かった」という。

その後到着した消防隊員がハリガンと斧を使ってSUVのフロントガラスをはがし、ゴルフ界のレジェンドを救出。担架に乗せて彼首を固定し救急車でハーバーUCLA医療センターに搬送したという。

ロサンゼルス郡保安官アレックス・ヴィラヌエバは「フロントエンドやバンパーなどは完全に破壊された。しかし、ありがたいことに、内部は多かれ少なかれそのままだった、彼に一種のクッションを与えた。そうでなければ致命的なクラッシュになっていただろう」と語った。ウッズは、両脚の手術を受けたという。ウッズは今年、5度目の椎間板手術を受け経過は順調だったことを明かしていた。

ウッズは2017年5月、米フロリダ州ジュピターでアルコールまたは薬物の影響下で運転したとして逮捕された事件があった。パトカーのドライブレコーダーに映った逮捕の瞬間のビデオが米芸能サイトなどで公開され、ろれつが回らず目はうつろでまっすぐ歩けないゾンビのようなタイガーの姿が波紋を広げたのは記憶に新しい。

当時タイガーは「医師から処方された処方薬を混ぜて摂取した。体にとても強い影響をもたらすとは認識していなかった」などと釈明した。タイガーは同年4月に腰などの痛みを取り除くための手術をしており、処方薬は、左ひざとアキレス腱手術の治療のためだったという。満身創痍だった当時のタイガーはマスターズどころかゴルフに復帰することも危ぶまれていただけに、文字通り奇跡の復活劇だった。タイガーは優勝記者会見で「決してあきらめてはいけない。あきらめたら、道はひらけない」などと語った。