6日（現地時間）、トランプ支持者が連邦議会議事堂に乱入し支持者4人と警官１人が死亡した前代未聞の事件で、当局はナンシー・ペロシ下院議長の部屋を占拠して机に座っている写真を撮られた男を逮捕した。

米サイト「TMZ」によると、 連邦法執行機関の情報筋は連邦政府がアーカンソー州でリチャード・バーネット容疑者(60) を逮捕し、不法侵入や公共の財産を窃盗した罪で起訴したことを明らかにした。バーネット容疑者は議事堂内のペロシ下院議長室で、議長の椅子に座りデスクに足を投げ出した写真を撮られた男とみられている。また、ペロシ議長の郵便物を手に持って自撮りをしていた。さらには「We will not back down 「（われわれは引き下がらない）と書かれたメモを残していたとう。

バーネット容疑者はペロシ議長のオフィスに入った後、ニューヨーク・タイムズの記者に「彼女の机の上に足を乗せてタマを引っ掻いてやった」と語ったという。バーネット容疑者は数百人のトランプ支持者のうちの一人とみられる。暴徒らは警備を突破して議事堂に乱入し上院と下院の会議室から議員らがが緊急避難するなどパニックに陥った。ペロシ議長のノートPCが持ち去られたという。機密文書が入っていたかどうかは不明だという。同様にクライバーン議員のノートパソコンと iPadも盗まれた。

■ツイッター、トランプ大統領のアカウントを永久停止

事件があった6日（現地時間）、議事堂ではバイデン大統領候補の勝利を確定する上院下院の合同会議が開かれていた。トランプ大統領はホワイトハウスの庭で集まった支持者を前に「大統領選挙に不正があった」などとこれまでの主張を繰り返し「議事堂に歩いていく」と議事堂に向けた抗議デモを呼びかけ、暴動につながったとされる。

ツイッター社とフェイスブックは事件を受けて大統領のアカウントを一時停止する異例の措置を取った。ツイッターの停止処分が明けた７日（現地時間）、トランプ大統領はツイッターに投稿したビデオメッセージで「新政権が1月20日に発足する。いまや私は円滑で秩序ある途切れのない政権移行を確実にすることに集中していく」と語り、乱入事件には「暴力や破壊行為をした者は我が国を象徴していない」などと非難。「癒しと和解が必要だ」などと軌道修正するなど追い詰められている。
そうしたなか、ツイッター社は8 日（現地時間）、トランプ大統領のアカウントを永久停止することを発表した。さらに暴力を扇動するリスクがあるとしているという。ペロシ下院議長は支持者の議会乱入を煽ったとしてトランプ大統領の罷免をペンス副大統領に求めた。さらに民主党はトランプ大統領の弾劾決議を議会に提出するという。