黒川検事長に賭けマージャン疑惑の”文春砲“ 「#黒川検事長の辞職を求めます」拡大で辞任秒読みか

(2020年5月20日)

黒川検事長に賭けマージャン疑惑の”文春砲“で「#黒川検事長の辞職を求めます」拡大
(黒川検事長=東京高検のHPから)

東京高検の黒川弘務検事長(63)が自らコケた!?20日、文春オンラインが黒川検事長が記者宅で賭けマージャンをしていたと報じて、与野党から批判が噴出。ネット上でも騒然となっている。定年を過ぎた今も黒川検事長をその地位に座らせた1月の定年延長の閣議決定はいったい何だったのか。あまりにもお粗末な展開に安倍政権には大打撃となり、「#検察庁法改正案を廃案に」「#黒川検事長の辞職を求めます」の“ネットデモ”が拡大している。

■文春オンライン「5月1日に産経新聞記者、朝日新聞元記者と賭けマージャン」

文春オンラインは、黒川検事長が産経新聞社会部記者や朝日新聞の元検察担当記者らと書賭けマージャンをしていたと報じた。小池都知事が「ステイホーム週間」と位置付けた5月1日夜に午前2時過ぎまでマージャンをして、産経新聞が用意したハイヤーで帰宅したという。「賭けマージャンは賭博罪に該当する上に、接待や財産上の利益強要を受けている場合,国家公務員倫理規定に抵触する恐れがある」(文春オンライン)と指摘している。

■自民党幹部「賭けマージャンは駄目だ。辞めざるを得ないだろう」

共同通信の報道によると、公明党の石田祝稔政調会長は20日の記者会見で「事実であれば、職務を続けられる話ではない」と述べた。自民党幹部も「賭けマージャンは駄目だ。辞めざるを得ないだろう」と話したという。自民党の中谷元・元防衛相は、取材に「事実であれば、政府が国民に自粛をお願いした期間中の行為で言語道断だ。直ちに辞職してほしい」と語ったという。

■朝日新聞社「極めて不適切な行為でおわびします」、産経新聞社「取材に関しては、従来からお答えしていません」

NHK NEWS WEBによると、NHKの取材に対し、朝日新聞社は50代の東京本社の男性社員が今月1日と13日の夜にマージャンに参加していたことを認め、「勤務時間外の個人的行動ではありますが、不要不急の外出を控えるよう呼びかけられている状況下でもあり、極めて不適切な行為でおわびします」と回答したという。マージャンで現金を賭けていたかどうかについては「事実関係を調査している」としているという。
産経新聞社は「取材に関しては、従来からお答えしていません」としているという。 いずれにしても取材相手と接待賭けマージャンとは、一般紙の番記者と検察幹部の癒着関係も発覚した格好だ。

■黒川検事長は東京高検のHPで「一つ一つの事件に適正に対処し,皆様の信頼を得ることが大切」

黒川検事長は東京高検のホームページの「検事長のあいさつ」(2019年1月29日付け)で「私ども検察の使命は,日々発生する犯罪に対し,適正な捜査・公判活動を通じ,事案の真相を明らかにし,適正な刑罰権の実現を図ることにあります。その使命を果たすには,一つ一つの事件に適正に対処し,皆様の信頼を得ることが大切だと考えています。当庁は,管内の地方検察庁とともに,警察等の関係諸機関と連携し,国民の皆様の御期待に応えられるよう努力してまいりますので,御理解と御協力をお願いいたします」との声明を掲載している。その「使命」は麻雀パイとともに雀卓に捨ててしまったのか。

■元文部科学事務次官・前川喜平氏「自分の賭け麻雀を産経の記者にリークさせた。(…考え過ぎか?)」

元文部科学事務次官・前川喜平氏はツイッターで「僕の穿った見方:黒川氏は辞めたかった。しかし官邸との関係で辞められない事情があった。彼は辞める理由が欲しかった。だから自分の賭け麻雀を産経の記者にリークさせた。(…考え過ぎか?)」と意味深な見方を示した。いずれにしても安倍政権の「やりたい放題」の大きなツケが回ってきたようだ。