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映画
ドキュメンタリ-「ムガリッツ」 ”異端の名店”の異次元の独創的料理の舞台裏
(2025年9月18日20:00)

世界屈指の“異端の名⾨“との呼び声も⾼いスペインのレストラン「ムガリッ ツ」の⾰新的な料理の誕⽣プロセスを追ったドキュメンタリー「ムガリッツ」が9⽉19⽇から公開になる。哲学者や詩人のような語り口で独創的な料理を語るスタッフたちの新作メニュー作りの舞台裏とは――。
スペイン・バスク地⽅、ガストロノミーのレストラン「ムガリッツ」は、ミシュランガイドに「レストランを超えた存在」と評され、2 つ星を獲得した名⾨として知られる。その名前は、21世紀に⼊る頃から、業界で⼤きな注⽬を浴び始めた。グラスなどを並べずアーティスティックなオブジェだけを載せたテーブルや、カトラリー(食卓用のナイフ、フォーク。スプーンなど)を排して⼿や⾆を直接使って味わう料理など唯一無二の独創的な料理が評判になっている。










「ムガリッツ」の⾰新的な厨房に潜⼊したカメラは、研究開発チームやシェフたちが実験的な料理を作り上げるメニュー開発の様⼦に密着する。従来のレストランコードをこともなげに崩し、ゲストの好奇⼼を誘い、五感を研ぎ澄まさせ、独⾃の世界観で今までになかった⾷空間を⽣み 出した「ムガリッツ」。ムガリッツは、毎年11月〜4⽉の6か⽉間は休業し、この期間はスタッフ総出で、メニュー開発に専念する。その年に誕⽣した料理が翌年以降に提供されることはなく、⾰新的なメニューはつねに更新され続ける。そんな異端の名⾨ムガリッツの研究開発チームに密着、メニュー開発の舞台裏を追ったドキュメンタリーが誕⽣した。
監督をつとめたのは、『REC』シリーズなどのホラー作品で知られるパコ・ プラサ⽒。もともと「ムガリッツ」の熱⼼なファンだった彼が、その創造の秘密を解き明かすべく厨房に潜⼊、ついにその全貌が明かされる。
【見どころ】
本作はガストロミック・ドキュメンタリーとされる。ガストロミーとは単に贅沢な料理や高級料理をさすだけでなく、食や食文化に関する総合的な学問体系で、料理を中心として、美術、社会学、自然科学など様々な文化的要素で構成されるという。
その言葉通り、「ムガリッツ」の革新的スタッフらはまるで美術品を創作する芸術家や詩人、あるいは文学者か哲学者のような言葉で料理のコンセプトを語っていく姿が圧巻だ。
店を休業して半年かけてメニュー開発に専念するに当たって、オーナーシェフのアンドニ・L・アドゥリスは、研究開発チームのスタッフを集めた会議で、今年のテーマは「目に見えぬもの」と語る。20点の新作が選ばれるという。
そして、研究開発チームのラモン・ぺリセは、スタッフを前に「人を驚かせ、感動させ、怒りを与えるメニューだ」といい、「創造性とは予想に反する挑戦に立ち向かう能力、解決しながら進む能力、存在するものを組み合わせて驚くべき方法を考える能力だ…」などと持論を展開する。そうした理論や思想に基づいた料理作りだという独創性が最後まで貫かれているところがこのドキュメンタリーの見どころになっている。
一つ一つの料理はまさに「驚き」の連続で、例えば「仔牛の脳みそを蒸して、酢漬けのジュレソースに浸し、ピルピルソースを添えて出す。ソースは牛スジと肉のブイヨンで作る…」などなど。果たしてどんな料理が完成するのか――と注目する中採用された作品がベールを脱ぐ。「ムガリッツ」の料理の創造性や深淵の舞台裏を余すところなく捉えたドキュメント映画になっている。
【CAST&STAFF】
監督︓パコ・プラサ 脚本︓パコ・プラサ、マパ・パストール
提供︓ティー ワイ リミテッド 配給︓ギャガ/原題︓『MUGARITZ. NO BREAD NO DESSERT』
2024年/スペイン/カラー/96分/字幕翻訳︓⽐嘉世津⼦/映倫:G
©2024 TELEFONICA AUDIOVISUAL DIGITAL, S.L.U.
公式HP︓https://gaga.ne.jp/mugaritzmovie/
公式X︓mugaritz_jp
9 月19日よりシネスイッチ銀座ほか 順次ロードショー