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映画
「タンゴの後で」 マット・ディロン演じるマーロン・ブランドが相手役の新人女優マリアに演技について語るシーンの本編映像解禁
(2025年9月4日12:30)

1970年代最大の問題作といわれた「ラストタンゴ・イン・パリ」の撮影で一生消えないトラウマを負った女優マリア・シュナイダーの人生を描く「タンゴの後で」(9月5日公開)で、マット・ディロン演じるマーロン・ブランドが撮影準備中に相手役の新人女優マリアに演技について語るシーンの本編映像が解禁となった。
アカデミー賞やカンヌ国際映画祭、英国アカデミー賞、ゴールデングローブ賞等で高い評価を受けたハリウッドの伝説的な映画俳優として今も人気の高いマーロン・ブランドだが、『ラストタンゴ・イン・パリ』(1972)の出演をオファーされたときは、商業的に失敗した作品が続き、業界では“落ち目のスター”として見られていた。マーロンはオファーされた映画の内容に難色を示すも、ベルナルド・ベルトルッチ監督の『暗殺の森』を見て出演を承諾。同年に公開された『ゴッドファーザー』の演技は批評家たちから大絶賛され、続いて公開された『ラストタンゴ・イン・パリ』でも、紛糾したスキャンダルが起こったにも関わらず、彼の演技は注目を集め、アカデミー賞主演男優賞にノミネート、全米映画批評家協会賞とニューヨーク映画批評家協会賞の主演男優賞を受賞した。
解禁となった本編映像は、撮影の準備中にセットのマットレスの上で寛ぐマーロン・ブランド(マット・ディロン)とマリア・シュナイダー(アナマリア・ヴァルトロメイ)が演技について会話するシーン。「昨日は衝撃を受けた。本当に泣いているかと思った。私にはできない」とブランドの演技に感銘を受けるマリアに、「あれは演技じゃない。本当に泣いた。撮影ではウソの涙を使うが、あれは監督に引き出された」と答えるマーロン。「俳優の養成所では泣き方も教わるが、嫌いだった。嘘やごまかしだ。だけど昨日、俺が何より憎んだのは真実だ」と往年のスターが若い新人女優に演じることの本音を語る様子から二人の間に信頼関係が築き上げられていくのが感じられる。しかしこの後、マリアは想像もしないやり方で“本当の涙”を引き出されることになる。






本作でマーロン・ブランドという憧れのスターを演じたマット・ディロンは、撮影後、自身のアイドルであったブランドについて「どうしてそんなことができたんだ?」と語った。「マーロンがどうしてあんなことができたのか、いまだに理解できない。彼とベルトルッチはおぞましい間違いを犯した。それは確かだ。しかし俳優にとって“アドリブ”というのはこの職業の要素の一つ。俳優は役になりきることを求められるんだ。私は、彼らがサディスティックだからあんなことをしたとは思わない。何かを探し求めていたんだろう。しかし、その結果、一線を越え、マリアの信頼を裏切ってしまったわけだが、僕はマーロンを演じるにあたって彼をジャッジ、裁くことはしなかった。ジャッジするのは俳優の仕事ではない」と複雑な胸中を語っている。(劇場用パンフレットより引用/文:佐藤久理子)
■「ラストタンゴ・イン・パリ」
「ラストタンゴ・イン・パリ」(1972年)は、イタリアのファシズムの台頭と崩壊を描き全米映画批評家協会賞監督賞を受賞した「暗殺の森」(70)、ロバート・デ・ニーロ、ジェラール・ドパルデユーを起用して20世紀前半のイタリア現代史を描いた5時間16分の大作「1900」(76)、第60回アカデミー賞作品賞、監督賞などを受賞した「ラストエンペラー」(87)などで知られるイタリアの映画監督ベルナルド・ベルトリッチが、マーロン・ブランドとマリア・シュナイダーの共演で、中年男と若い女性の情熱的な性愛を描いた問題作。ブランドとマリアの過激な性愛シーンが「ポルノか芸術か」で賛否両論を巻き起こした。なかでもブランドがマリアのお尻にバターを塗ってのアナルセックスの描写は一般映画では初めてで物議をかもした。本作にもそのバター・シーンが登場する。ベルトリッチ監督は後に、脚本にレイプ場面が含まれていることはマリアも事前に知っていて、知らせなかったのはバターを使うという点だけだったなどと説明し、実際の性行為はなかったと語っている。いずれにしてもあの名作の撮影中の意外なエピソードや、マリアが性的シーンの演技でトラウマを背負い、ドラッグに手を出し自殺未遂までするなど悲惨な事実があったことを赤裸々に描いているのは注目される。
【あらすじ】
19歳の若手女優マリア・シュナイダーは新進気鋭の監督ベルナルド・ベルトルッチと出会い、『ラストタンゴ・イン・パリ』で一夜にしてトップスターに駆け上がる。しかし、48歳のマーロン・ブランドとの過激な性描写シーンは彼女に苛烈なトラウマを与え、その後の人生に大きな影を落としていく。
【クレジット】
監督・脚本:ジェシカ・パルー
出演:アナマリア・ヴァルトロメイ『あのこと』、マット・ディロン『クラッシュ』、ジュゼッペ・マッジョ、イヴァン・アタル、マリー・ジラン
2024年 / フランス / フランス語 / 102分 / カラー / 5.1ch / PG-12(暴力描写や性的描写が含まれます)/ 原題:Maria /
英題:Being Maria / 日本語字幕:岩辺いずみ / 原作:「あなたの名はマリア・シュナイダー :「悲劇の女優」の素顔」 (早川書房・刊) /
協力:CHANEL / 配給:トランスフォーマー
2024 © LES FILMS DE MINA / STUDIO CANAL / MOTEUR S’IL VOUS PLAIT / FIN AOUT
HP: transformer.co.jp/m/afterthetango x: @afterthetango
9月5日(金)、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開