呉美保監督最新作「ふつうの子ども」 小学4年生3人組の”環境活動”騒動とそれぞれの思惑

(2025年9月3日11:30)

呉美保監督最新作「ふつうの子ども」 小学4年生3人組の”環境活動”騒動とそれぞれの思惑
「ふつうの子ども」メインビジュアル

小学4年生3人組の”環境問題活動”が巻き起こす騒動を大人たちの対応を絡めて描いた、呉美保監督最新作「ふつうの子ども」が5日から公開される。

『そこのみにて光輝く』(14)、『きみはいい子』(15)に続いて呉美保監督と高田亮(脚本)がコンビを組んだ完全オリジナルストーリーの最新作。小学校を舞台に、小学4年生の上田唯士、10歳、同じクラスの女子生徒で環境問題に関心が高く大人にも臆せず主張する三宅心愛、心愛が惹かれているクラスの問題児の橋本陽斗の3人が巻き起こす騒動を描く。今の日本に生きる子どもたちと、彼らと同じ時間に向き合う大人たちにフォーカスした「ありそうでなかった子ども映画」として注目される。

呉美保監督最新作「ふつうの子ども」 小学4年生3人組の”環境活動”騒動とそれぞれの思惑
「ふつうの子ども」場面写真(上田唯士㊧と三宅心愛)
呉美保監督最新作「ふつうの子ども」 小学4年生3人組の”環境活動”騒動とそれぞれの思惑
㊧から橋本陽斗、唯士、心愛の3人組
呉美保監督最新作「ふつうの子ども」 小学4年生3人組の”環境活動”騒動とそれぞれの思惑
呉美保監督最新作「ふつうの子ども」 小学4年生3人組の”環境活動”騒動とそれぞれの思惑
呉美保監督最新作「ふつうの子ども」 小学4年生3人組の”環境活動”騒動とそれぞれの思惑
唯士の母親役の蒼井優㊨
呉美保監督最新作「ふつうの子ども」 小学4年生3人組の”環境活動”騒動とそれぞれの思惑
教師役の風間俊介(中央)
呉美保監督最新作「ふつうの子ども」 小学4年生3人組の”環境活動”騒動とそれぞれの思惑
心愛の母親役の瀧内公美㊨

主人公・唯士役は「それでも俺は、妻としたい」など話題作出演が相次ぐ嶋田鉄太。心愛に、映画 『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』(25)やMV、WEBCMなどに出演している瑠璃。本作の撮影後、「地獄の果てまで連れていく」(TBS /25)、など、話題作に次々と出演している。陽斗役は、土曜ドラマ「3000万」(NHK)や日曜劇場「VIVANT」 (TBS)に出演し、映画の公開待機作も多く控える味元耀大。
そして唯士の母親に蒼井優、心愛の一癖もある母親に瀧内公美、唯士らのクラスの教師役に風間俊介など実力派が勢ぞろいした。毎日を全力で生きる唯士たちのドキドキ・モヤモヤ・ハラハラは、かつて私たちが過ごした日々の感情、そして成人した今のそれとも重なり合い、10才の世界と大人の世界は地続きで、考えていることは案外変わらないのかもしれないと気付かせてくれる。

【ストーリー】 上田唯士(嶋田鉄太)、10才、小学4年生。両親と三人家族、おなかが空いたらごはんを食べる、いたってふつうの男の子。最近、同じクラスの三宅心愛(瑠璃)が気になっている。環境問題に高い意識を持ち、大人にも臆せず声を挙げる彼女に近づこうと頑張るが、心愛はクラスの問題児、橋本陽斗(味元耀大)に惹かれている様子。そんな三人が始めた“環境活動“は、温室効果ガスを減らそうと「車を使うナ!!」などのスローガンを掲げ、古新聞や古雑誌から文字を切り抜いてアジビラを作るり、帽子やサングラスで変装して駐車場に侵入し、車の窓にビラを貼り付け、排気口にシーツの切れ端を詰め込 んでいったりしながらだんだんエスカレートしていき、牧場に忍び込んで柵を破壊し牛を脱走させたことが”大事件”になり、大人たちを巻き込んで思わぬ方向に転がり出していく。

【見どころ】
唯士(嶋田鉄太)、心愛ちゃん(瑠 璃)、陽斗(味元耀大)の10歳の小学3年生”3人組”が巻き起こす環境問題デモが、いたずら程度のものかと思われていたが、次第にエスカレートして学校と大人たちを揺るがす事件を起こしていく様子がビビッドに描かれる。その中心人物の心愛は、クラスの発表会で「地球温暖化してそのせいで災害が起きています」「大人は地球の環境をめちゃくちゃにしている」などと大人を非難する。家では環境問題で政治家を激しく糾弾するスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんを彷彿とさせる若い女性が、「よくもそんなことができますね!二酸化炭素を出さないで下さい!」などと怒りをぶつけるニュース番組の映像をスマホで見入ったり、図書館で環境問題の本を読みあさるなどして、唯士や陽斗と活動を始めるドラマが繰り広げられる。
心愛が好きで彼女についていく、ひょうきんでユニークなキャラの唯士と、2人の間に割り込んでくるクラスの問題児でイケメンの陽斗は「ふつうの子ども」のようだ。そして心愛も陽斗が好きだというところは「ふつう」だが、環境問題にのめりこみ大人顔負けの主張をするなど超「ふつう」なところに大人は驚かされる。そんな3人の思惑が絡んでの環境活動や教師、親たちの対応などを丁寧にユーモアも交えて描き、最後まで目が離せない展開が続く。牛解放事件後に、3人とその親たちが学校に呼ばれ、学校の教師らが事情を聴く中で、3人のそれぞれの答えや親の対応から、様々な「真相」が浮かび上がってくるシーンは秀逸だった。差し迫った問題となっている地球規模の気候変動に対する警鐘を鳴らす作品としても注目される。

【クレジット】
監督:呉美保 脚本:高田亮
出演:嶋田鉄太 瑠璃 味元耀大 瀧内公美 少路勇介 大熊大貴 長峰くみ 林田茶愛美 風間俊介 蒼井優
製作:「ふつうの子ども」製作委員会 製作幹事・配給:murmur
製作プロダクション:ディグ&フェローズ 制作プロダクション:ポトフ
特別協力:小田急不動産 湘南学園小学校
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)独立行政法人日本芸術文化振興会
©︎2025「ふつうの子ども」製作委員会
協賛:ビーサイズ キュウセツAQUA YOIHI PROJECT Circular Economy.Tokyo  Design H&A
9月5日(金)テアトル新宿ほか全国公開