「フィリップ」ナチス⽀配下のポーランドとドイツで復讐に生きたユダヤ人青年の壮絶な生き様

(2024年6月18日17:15)

「フィリップ」ナチス⽀配下のポーランドとドイツで復讐に生きたユダヤ人青年の壮絶な生き様
「フィリップ」メインビジュアル

第 2 次⼤戦、ナチス⽀配下のポーランド、そしてドイツで、ユダヤ⼈としての素性を隠して⽣きている美⻘年フィリップが、復讐、愛、死、孤独、 そして時代に翻弄されながら、もがく壮絶な生き様を描いた映画「フィリップ」が6月21日公開になる。

本作は、ポーランド⼈作家レオポルド・ティルマンド(1920-1985)の実体験に基づく⾃伝的⼩説『Filip』をもとに映画化された。1942 年にフランクフルトに滞在していた実体験に基づいて書かれたこの⼩説は、1961年にポーランド当局の検閲の後⼤幅に削除されたものが 出版されたものの、すぐに発禁処になり⻑い間陽の⽬を⾒ることがなかったが、60年の時を経て2022 年にオリジナル版が出版された。

監督は 1990 年代よりテレビプロデューサー兼演出家としてキャリアを重ね、21 世紀に⼊って以降はポーランドの巨匠アンジェイ・ワイダ監督作品のプロデューサーとして、後期代表作である『カティンの森』、『ワレサ 連帯の男』、そして遺作『残像』まで製作を務めたミハウ・クフィェチンスキ。
第2 次⼤戦中のナチス⽀配下のドイツを舞台に、フィリップの魂の解放・⾃由奔放な姿を官能的な要素を加えて映画化した。

「フィリップ」ナチス⽀配下のポーランドとドイツで復讐に生きたユダヤ人青年の壮絶な生き様
「フィリップ」場面写真
「フィリップ」ナチス⽀配下のポーランドとドイツで復讐に生きたユダヤ人青年の壮絶な生き様
リザ㊨とフィリップ
「フィリップ」ナチス⽀配下のポーランドとドイツで復讐に生きたユダヤ人青年の壮絶な生き様
ナチス将校の妻を誘惑するフィリップ
「フィリップ」ナチス⽀配下のポーランドとドイツで復讐に生きたユダヤ人青年の壮絶な生き様
「フィリップ」ナチス⽀配下のポーランドとドイツで復讐に生きたユダヤ人青年の壮絶な生き様
「フィリップ」ナチス⽀配下のポーランドとドイツで復讐に生きたユダヤ人青年の壮絶な生き様
ウェイターとして働くフィリップ

監督は「ポーランドで愛する⼈を亡くしたユダヤ⼈の主⼈公は、そのような状況下で何を感じるでしょうか︖ 私はティルマンドの本を⼼理的で緻密な映画にし、トラウマから感情が凍り付いた男の孤独を研究することに決めました」と映画化した意図を明かしている。

【story】
1941 年、ワルシャワのゲットーで暮らすポーランド系ユダヤ⼈フィリップ(エリック・クルム・ジュニア)は、恋⼈サラとゲットーで開催された舞台に立つがナチスによる銃撃に遭い、サラや家族、親戚を⽬の前で殺されてしまう。2 年後、フィリップはドイツのフランクフルトにある⾼級ホテルのレストランでウェイターとして働いていた。⾃⾝をフラ ンス⼈と名乗り、戦場に夫を送り出し孤独にしているナチス将校の妻たちを次々と誘惑することでナチスへの復讐を果たしていた。孤独と嘘で塗り固めた⽣活の中、 プールサイドで知的な美しいドイツ⼈のリザ(カロリーネ・ハルティヒ)と出会い、愛し合うようになる。しかし戦争は容赦なく⼆⼈の間を引き裂いていく…。

【見どころ】
恋人や家族を目の前でナチスに銃撃され殺された青年フィリップが、絶望の中から復讐に立ち上がり、それもフランス人と名乗ってナチスの将校の妻たちを口説いて篭絡していくという屈折した”闘い”はしたたかだが絶望の裏返しのようでもあり、孤独で痛ましく、フィリップがどこに向かっていくのか目が離せなくなる。フィリップが乗り移ったようにエリック・クルム・ジュニアが熱演している。そして知的で美貌のドイツ⼈女性リザを口説くうちに、復讐を忘れてしまったかのように恋をしていくが、一方でドイツへの連合軍の攻撃が激化する中で運命が一転していくなど、フィリップの極限までの壮絶な生き様に、ナチスのユダヤ人排斥・虐殺や戦争と平和、戦時下で引き裂かれるラブロマンスなど様々な問題を問いかけてくる。

【クレジット】
監督:ミハウ・クフィェチンスキ 脚本:ミハウ・クフィェチンスキ, ミハル・マテキエヴィチ (レオポルド・ティルマンドの⼩説『Filip』に基づく)
出演︓エリック・クルム・ジュニア、ヴィクトール・ムーテレ、カロリーネ・ハルティヒ、ゾーイ・シュトラウプ、ジョゼフ・アルタムーラ、トム・ファン・ケセル、ガブリエル・ラープ、ロベルト・ヴィエツキーヴィ ッチ、サンドラ・ドルジマルスカ、ハンナ・スレジンスカ、マテウシュ・ジェジニチャク、フィリップ・ギンシュ、ニコラス・プシュゴダ
撮影:ミハル・ソボチンスキ 美術:カタジーナ・ソバンスカ,マルセル・スラヴィンスキ ⾐装:マグダレナ・ビェドジツカ, ユスティナ・ストラーズ メイクアップ:ダリウス・クリシャク ⾳楽:ロボット・コック
プロデューサー:ポーランド・テレビ SA
配給︓彩プロ |原題︓Filip |
2022 | ポーランド | ポーランド語、ドイツ語、フランス語、イディッシュ語 | 1: 2| 124 分 | 字幕翻訳:岡⽥壮平 | R-15+ 後援|ポーランド広報⽂化センター
(C)TELEWIZJA POLSKA S.A. AKSON STUDIO SP. Z.O.O. 2022
映画公式 HP: https://filip.ayapro.ne.jp/
6月21日(金)より、新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国公開