門脇麦、台湾・日本合作映画「オールド・フォックス 11歳の選択」の出演シーン公開

(2024年6月8日10:00)

台湾・日本合作映画「オールド・フォックス 11歳の選択」(6月14日公開)に台湾人役で抜擢された門脇麦の出演シーンが解禁になった。

門脇麦、台湾・日本合作映画「オールド・フォックス 11歳の選択」の出演シーン公開
「オールド・フォックス 11歳の選択」の門脇麦㊨とリウ・グァンティン
門脇麦、台湾・日本合作映画「オールド・フォックス 11歳の選択」の出演シーン公開

同作は、侯孝賢(ホウ・シャオシェン)プロデュース、台湾ニューシネマの系譜を受け継ぐ俊英・シャオ・ヤーチュエン監督最新作で、台北金馬映画祭で4冠達成の感動のヒューマンドラマ。

舞台はバブル期の到来を迎えた台湾。11歳の少年リャオジエ(バイ・ルンイン)は、父タイライ(リウ・グァンティン)と二人で台北郊外に暮らしている。自分たちの店と家を手に入れることを夢見る父子だったが、不動産価格が高騰。リャオジエは現実の厳しさと、世の不条理を知ることになる。そんなリャオジエに声をかけてきたのは、“腹黒いキツネ”と呼ばれる地主のシャ(アキオ・チェン)だった。他人にやさしい父と違い、他人なんか見捨てろと言い捨てるシャ。果たしてリャオジエは、どちらの道を歩んでいくのか…という内容。

この度解禁されたのは、10代から台湾映画を見続け台湾映画に出ることが夢だった門脇麦の登場シーン。門脇が演じるのは、リウ・グァンティン演じるタイライの幼馴染ヤンジュンメイ。かつて二人は淡い恋心を抱いていたが、その想いは成就することなく、タイライはレストランで給仕長をしながら幼い息子のリャオジエを男手一つで育てている。一方ヤンジュンメイも結婚して豪奢な服を纏い、宝飾品を身につけ、金銭的には恵まれた暮らしをしつつも、心は満たされない空虚な日々を過ごし孤独を感じていた。
そうしたなか、タイライの働くレストランで二人は再会し、クリスマスの夜ヤンジュンメイはまた一人で食事に訪れていた。
賑わう店内、サンタの帽子を被ったタイライは忙しなく働いている。そんな彼を優しい眼差しで見つめるジュンメイ。そしてタイライが彼女のテーブルへ来ると「あなたと息子さんに」とクリスマスプレゼントを渡す。受け取るなり中身を覗き込むタイライを手で制止すると「今は見ないで。メリークリスマス。お勘定を」とスマートに会計を済ませる。
慣れた様子でタイライにコートを着せてもらうと、悲しげな微笑みを湛えながら改めて「メリークリスマス」と伝え合って別れる、というシーン。

監督は「あの役には、お嬢様気質でちょっとわがままな感じがして、でも憂いが感じられてどこか孤独の影がある、という人を求めていたのですが、30歳くらいでそういう雰囲気のある人が台湾では見当たらなかったんです。それで、ホウ・シャオシェン監督から「日本の俳優と仕事をしてみるといいよ」と勧められたことを思い出しました。ちょうど「浅草キッド」を観て、彼女がとてもいいと感じていたのでお願いしました」と語っている。

門脇は「私が演じたヤンさんは寂しい人です。彼女の孤独や悲しみを感じさせる瞳、そこをとにかく心がけました」と語る彼女の言葉が見事に表現されたシーンとなっている。タイライとヤンジュンメイの切ない恋模様の続きは劇場で、としている。

本作のシャオ・ヤーチュエン監督は、1989年『悲情城市』でヴェネツィア国際映画祭グランプリを受賞し、2015年『黒衣の刺客』でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞。小津安二郎への敬愛から『珈琲時光』を製作し、昨年10月には引退を発表したホウ・シャオシェン監督の助監督を務め、台湾ニューシネマの系譜を受け継ぐ俊英と注目されている。
これまでのヤーチュエン監督作全てのプロデュースをシャオシェンが務めており、本作が最後のプロデュース作となる。昨年の東京国際映画祭でワールドプレミア上映され、人生の選択肢を知って成長していく少年と、彼を優しく見守る父の姿に心打たれる人が続出した。
2023年の第60回台北金馬映画祭で監督賞、最優秀助演男優賞(アキオ・チェン)、最優秀映画音楽賞、衣装デザイン賞の4冠を達成。5月16日に発表された、2024台北電影奨では、本作が10部門でノミネートされるなど、新たな台湾映画の傑作が誕生した。
主演のリャオジエには『Mr.Long/ミスター・ロン』などで日本でも知られている日台のダブルで、台湾では神童と呼ばれる天才子役バイ・ルンイン。そして日本でもスマッシュヒットを記録した『1秒先の彼女』のリウ・グァンティンがW主演としてリャオジエの父親役に扮し、慎ましやかに支え合いながら生きる父子役を演じている。リャオジエに影響を与える“腹黒いキツネ”(オールド・フォックス)と呼ばれる地主のシャ役には、本作で台北金馬映画祭最優秀助演男優賞に輝いた台湾の名脇役アキオ・チェン。シャの秘書役に『怪怪怪怪物!』のユージェニー・リウ。そして、門脇麦が経済的には恵まれているが空虚な日々を生きる人妻・ヤンジュンメイを演じ、初の台湾映画出演を果たした。

【STORY】
台北郊外に父と二人で暮らすリャオジエ。コツコツと倹約しながら、いつか、自分たちの家と店を手に入れることを夢見ている。ある日、リャオジエは“腹黒いキツネ”と呼ばれる地主・シャと出会う。優しくて誠実な父とは真逆で、生き抜くためには他人なんか関係ないと言い放つシャ。バブルでどんどん不動産の価格が高騰し、父子の夢が遠のいていくのを目の当たりにして、リャオジエの心は揺らぎ始める。図らずも、人生の選択を迫られたリャオジエが選び取った道とは…!?

【クレジット】
出演:バイ・ルンイン リウ・グァンティン アキオ・チェン ユージェニー・リウ 門脇麦
監督:シャオ・ヤーチュエン プロデューサー:ホウ・シャオシェン、リン・イーシン、小坂史子
原題:老狐狸/英題:OLD FOX/2023年/台湾・日本/112分/シネマスコープ/カラー/デジタル/字幕翻訳:小坂史子
配給:東映ビデオ HP:https://oldfox11.com/ 公式X@OLDFOX0614
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6月14日(金)新宿武蔵野館ほか全国公開