「キラー・ナマケモノ」特別映像&マシュー・グッドヒュー監督インタビュー公開

(2024年4月11日16:00)

「キラー・ナマケモノ」特別映像&マシュー・グッドヒュー監督インタビュー公開
「キラー・ナマケモノ」の場面写真

「アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅」「オペレー ション・フォーチュン」の製作チームによる抱腹絶倒の新時代アニマル・パニック・ホラー「キラー・ナマケモノ」(4月26日公開)の本編映像の一部を用いた特別映像と、マシュー・グッドヒュー監督によるロングインタビューが公開された。

同作は、パナマの密林で捕獲され、密輸業者によりアメリカに連れてこられた“怖カワ”アニマルモンスター「野生のナマケモノ」と、怪しい ペット業者を人知れず血祭りにあげ、珍しい動物を飼って SNS で人気者になろうと躍起になる「今どきアメリカ女子大生」エミリーとの出会いが繰り広げる、抱腹絶倒の新 時代アニマル・パニック・ホラー。

「キラー・ナマケモノ」特別映像&マシュー・グッドヒュー監督インタビュー公開
「キラー・ナマケモノ」特別映像&マシュー・グッドヒュー監督インタビュー公開
「キラー・ナマケモノ」特別映像&マシュー・グッドヒュー監督インタビュー公開

このたび、本編映像を一部抜粋した特別映像が完成した。映像は女子学生が暮らす 学生寮で飼われることになったナマケモノのアルファが椅子によじ登る様子から始まり、パソコンとマウスを器 用に操作して寮生たちの SNS をチェックする姿が映し出される。人間の動きを真似ているのか画面のスクロー ルをスムーズにこなし、女子大生たちの SNS 投稿を次々と閲覧。アルファがどんな目的で情報収集をしている のか…ナマケモノ VS 女子大生の前日譚となる、アルファの有能さが明かされる重要なシーンとなとなる。

■マシュー・グッドヒュー監督によるロングインタビュー

アニマトロニクスによる撮影の舞台裏や、フル CG ではなくリアルな映像を用いたプラクティカル・エフェクトとい う手法を選択した経緯、ナマケモノとどう向き合ったのかなどが語られている。

―――ナマケモノが主役のスラッシャー映画のアイデアはどこから来たのですか?
『キラー・ナマケモノ』のクリエイターであるキャディ・ラニガンとブラッドリー・ファウラーは、この映画の 製作に 7 年間取り組んできました。ブラッドは素晴らしい作家で、際立った映画を作りたかったのです。彼はキ ャディにこの映画を売り込み、彼女も乗り気になりました。ふたりは”ナマケモノ”の人気について、この動物 に夢中になっている人々が誰なのか、膨大なリサーチを行いました。脚本は、よりグロテスクで R 指定のコンセ プトから、私たちがたどり着いた場所、つまり若い観客向けのライトなホラー映画でありながら、ホラーファン も興奮できる映画へと変化していきました。私は脚本が出来上がってから参加しました。アニマトロニクスのナ マケモノを主人公にした『キラー・ナマケモノ』という映画を作るとは思ってもみませんでしたが、脚本を読ん で、あまりにも奇妙で挑戦的なコンセプトでした。キャディとブラッドが追求したかったプラクティカル・エフ ェクトのアプローチに惹かれ、これまで作ったものよりもっと軽快で遊び心のあるものを作ってみたいと強く思 ったのです。目標は、楽しく、エネルギッシュで、ポップな 90 分の映画を作ることでした。

―――なぜ映画の舞台を女子学生クラブにしようと思ったのですか?

これはすべてキャディとブラッドが仕掛けた事なんです。女子学生寮というアイデアは、他のホラー映画(『ブラ ック・クリスマス』、『スプラッター・ナイト/血塗られた女子寮』、『テラー・トレイン』など)に通じるものがあ って気に入りました。また、ホラー映画に必要なレシピであるアンサンブル・キャストを配置できる空間も確保 できました。また、『ミーン・ガールズ』、『ハッピー・デス・デイ』、『トラジディ・ガールズ』といった映画も参 考にしました。すべてが女子学生クラブ映画というわけではありませんが、これらは集団の力関係や、そこから 生まれる緊張やコメディを描いています。

―――#SlothRush が大好きです。この映画はどれくらい Rush Tiktok からインスピレーションを受けました か?

これは私にとって初めてのことでした。私は学生会に所属していなかったし、クラブ活動の知り合いもいなかっ た。でも、インターネットでラッシュのビデオをいくつか見たんです!私たちは、その魅力や、即座に友達にな るはずの新しい人たちに出会って酔いしれる感覚を強調したかったのです。また、インターネットというカオス のようなもの、つまり、何かがバイラルになるのがいかに早いか、人々の注目を集めれば人気やフォロワーがい かに早く増えるかということも描いています。

―――『アルファ』のクリーチャーデザインについてお聞きしたいです。すべてプラクティカル・エフェクトで すか?

最初からプラクティカル・エフェクトを追求したいと思っていました。個人的には、フル CG のデザインでこの 映画を作ろうとは思わなかったと思います。特に、観客に愛してもらえるようなユニークなキャラクターを作り 出そうとする場合、”アルファ”は可能な限りリアルで具体的である必要があると思っていました。私たちは、ク リーチャー・エフェクトの素晴らしい人々(マーク・ラパポート、トニー・カリロ、ジャクソン・パイク)と協 力し、”アルファ”の外見とメカニズムを注意深く作り上げました。”アルファ”の動きを通してキャラクターを 確立するために、才能ある人形遣いのグレッグ・バローラ氏を起用できたことは、本当に幸運だった。アルファ は一度に 4~5 人の人形遣いが操作し、アルファの腕、脚、腹、背中をロッドでコントロールしました。さらに 2 人の人形遣いがラジコンでアルファの頭を上下左右に動かし、鼻をくねらせ、口を動かしたのです。 ロサンゼルスの保護施設に行き、そこで数匹のナマケモノに会いましたが、彼らがどのように動き回るかを見る ことができ、とても参考になりました。その旅で得た大きな収穫は、ナマケモノはまったく動き回らないという ことです!のんびりとくつろいでいることが多く、理想的な生活のように思える。だから、アルファの動きをリ アルにしたいとは思っていましたが、殺人ナマケモノという皮肉で遊びたいとも思っていました。

―――タイラー(アンドリュー・ホートン)とオリバー(ステファン・カピチッチ)を除けば、この物語がすべ て女性によって語られているところが気に入っています。なぜ”アルファ”をメスの設定にしたのですか?

最初に脚本を読んだとき、アルファは男性だと想像していました。チャッキー、ジェイソン、マイケル・マイヤ ーズなど、私が知っているホラーの悪役とアルファを比べていたのも一因だと思います。私の記憶では、アルフ ァの性別は脚本に明記されていませんでした。セルビアでプリプロダクションをしているときに、プロデューサ ーのマーク・デイヴィッドがアルファを女性にしようと提案してきたのです。私たち全員が顔を見合わせ、"しま った、それならとても理にかなっているし、このキャラクターがもっと複雑でエキサイティングになる "と言い ました。女子学生社交クラブの世界観にぴったりだし、ティアラの瞬間は本当に強烈なものになる。アルファは 女子学生クラブの女王になりたがっているんだと。

―――アルファとブリアナ、どちらがより強力な悪役だと思いますか? 賛否両論あるかもしれませんが、私はアルファを悪役だとは思っていません。アルファはひどい状況に置かれ、 動物がそうであるように、生き残るために新しい環境に適応したのです!一方、ブリアナはとても残酷で、人を 操る!彼女は本当に利己的な性格で、それは動物ではなく人間の持つ特徴だと思います。言葉や他人への接し方 の残酷さは、信じられないほどのダメージを与えるのです。女子学生クラブの姉妹が大暴れするほどではないか もしれないけど、それでもダメージは大きい。

―――この物語にはソーシャル メディアが織り込まれています。『キラー・ナマケモノ』はオンライン カルチ ャーについて何を提示していると思いますか? 私たちの多くは、ソーシャルメディアでの存在感をとても重要視しています。目の前にある現実の世界よりも重 要視してしまうほどです。私は、ある人物がデジタルの世界で繁栄することを望みながら、周囲の世界をいかに ないがしろにしているかを描きたかったのです。フォロワー数さえ増え続ければ、実生活で誰を傷つけても構わ ない。もちろん、この映画ではそれを極端に押し出していますが、私は日常的に、ネット上と実生活でほとんど 違う人格を持つ人々を目にしています。私個人としては、できる限りデジタルの世界から距離を置き、この人生 でより存在感を発揮する方法を考えたい。ソーシャルメディアはとても重要で、私たちに素晴らしいことを可能 にしてくれます。しかし、私たちは対面の関係にもう少し努力をすべきだと思います。それが本当に重要なこと だからです。

―――雷雨の中、アルファが襲ってくるシーンが好きでした。ストーリーの恐ろしい要素と映画のコメディ調と のバランスはどのようにとりましたか?どちらかが影を落としてしまう心配はありませんでしたか?

あのシーンは、私がこのプロジェクトに参加する前に、キャディとブラッドが実際に絵コンテを描いていた、と ても初期のシーンでした。そのシーンがどのように撮られたかは、そのオリジナルの絵コンテにかなり近いんで す。コメディー対ホラーという要素に関しては、私たちはこの映画がまずコメディーであると認識していました。 この映画は『キラー・ナマケモノ』というタイトルで、その前提はとてもくだらない。恐怖を際立たせるために、 ストーリー作りを真剣に取り組みました。俳優たちはとても熱心に演じてくれ、彼らの演技がこの映画をより良 いものにしてくれたと思うし、そうでなければこの滑稽なコンセプトを、人々が共感できるような世界に置き換 えることはできなかったと思います。

―――別の攻撃シーンでは、ナマケモノのゆっくりとした動きがホラー映画の緊張感を高めることができること を示しています。アルファの限られたスピードは長所ですか、短所ですか、それとも両方ですか?

アルファのスピードは、何よりも彼女の知性を表していると思います。彼女はその気になれば素早く動ける。し かし、彼女は思慮深くゆっくりとした瞬間を選ぶ。彼女は観客のためだけでなく、破滅を迎えようとしているキ ャラクターのためにも緊張感を高めているんです!しかし、繰り返しになりますが、アルファは自分を傷つけた り危険にさらしたりする人間にしか報復しない。アルファが被害者をもてあそぶことでどれほどの快感を得てい るかは気になるところだが、彼女はブリアナとほとんど同じことをしています。--より恐ろしい、殺人的な方法 を除いては・・・。

―――リアリズムを捨てて、殺人ナマケモノが車を運転する瞬間が好きでした。アルファに命を吹き込む際、実 際のナマケモノの行動をどの程度考慮しましたか?

アルファの動きには細心の注意を払い、可能な限り自然であることを心がけました。もちろん、ナマケモノが車 を運転するのを見たことがある人はいないと思うので(笑)、アルファがどのように行動するかはある程度自由に できるとわかっていました。しかし、起こるすべての荒唐無稽な出来事を通して、アルファで最も重要だったの は、彼女に生命を吹き込み、彼女が身を置く世界で可能な限りリアルに感じられるようにすることでした。彼女 は操り人形ですが、登場人物たちはそれを知らない。そのようなばかげたシーンでさえも、アルファの存在を感 じさせ、地に足をつけさせたかったのです

―――戦闘シーンはどのようにデザインし、撮影したのですか?

戦闘シーンは大変でした。あの暗い廊下に何日も何日もいました。人形の場合、一度に撮影できるのは塊だけで す。1 回のテイクで撮れる動きはそれほど多くはない。だから、あのシーンでは、1 拍ずつ瞬間を分けて、スト ーリーを伝えるために本当に必要なショットは何かを考えなければならなかった。ナマケモノが剣で戦うなんて 面白そうだけど、いったいどうやってやるんだろう?人形遣いやスタント・コーディネーターの力を借りてこれ らのシークエンスを増幅させ、アルファを使って何ができるかという限界に挑戦できたのはとても幸運でした。

―――最後に、公開を待ち望んでいる方へのメッセージをお願いします。

インディペンデント映画を作るのは難しいし、映画館で上映するのもとても難しい。だから、できることならこ の映画を映画館で、友達と一緒に見てほしい。観客と一緒に楽しめる映画を作ることが、最初から私たちの目標 でした。だから、ぜひ劇場に足を運んでほしいです!

【CAST・STAFF】
出演:リサ・アンバラバナール、シドニー・クレイヴン、オリビア・ルーリエ、アンドリュー・ホートン、ビアン カ・ベックルズ=ローズ、ティフ・スティーヴンソン、ステファン・カピチッチ
監督:マシュー・グッドヒュー 製作・脚本:ブラッドリー・フォウラー、キャディ・ラニガン 撮影: マーク・デイヴィッド 音楽: サム・ユーイング キャスティング: イレンカ・ジェロウィツキ コスチュームデザイン: ジョバナ・ボゾビッチ 編集: マイク・メンデス プロダクションデザイン: ニコラ・ベルチェク ヴィジュアルエフェクト:SILO FX
2023 年/アメリカ/93 分/シネスコ/5.1ch/原題:Slotherhouse/日本語字幕:中沢志乃 /提供:ニューセレクト /配給:アルバトロス・フィルム
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4月26日(金)新宿ピカデリーほか全国公開