デヴィッド・クローネンバーグ監督を父に持ち、自身も「アンチヴァイラル」（12）、「ポゼッサー」（20）など独特の世界観の秀作を送り出し、カルト的な人気を誇る鬼才ブランドン・クローネンバーグ監督の長編第３作で最大の話題作「インフィニティ・プール」が4月5日公開になる。

リゾート地のトルカ島を訪れた休暇中の売れない作家と裕福な妻が、ミステリアスな女とその夫と知り合う。４人でビーチに遊びに行った帰りに、作家が車で地元民をはねて死亡させしまうが、警察に通報せずに逃げ帰った翌日、警官がホテルに来て警察に連行される。ところが本来は死刑だが、観光客は大金を払えば自分のクローンを作って、そのクローンを身代わりにして罪を肩代わりさせることが許されるという奇怪なルールがあった。目の前で、クローンが処刑されるのを見ることになった作家とその妻は、ミステリアスな女の誘いで、とんでもない世界に引き込まれていき、「酒池肉林魑魅魍魎的なブランドン・ラビリンス」が繰り広げられる。

売れない作家ジェームス・フォスターに、クールなルックスで人気のスカルスガルド兄弟の長男で、「ターザン：REBORN」（16）、「ゴジラVSコング」（21）、テレビシリーズ「ビッグ・リトル・ライズ」などのアレクサンダー・スカルスガルド。
ジェームズを狂気の世界に引き込むミステリアスな女ガビ・バウアーに、「ニンフォマニアック」（13）、「X エックス」(22 )、脚本と製作総指揮を兼ねて、殺人鬼になる少女を怪演した「Pearlパール」（22）などのミア・ゴスが、はまり役で圧倒的な存在感を見せている。

また、『タクシー運転手 ～約束は海を越えて～』のトーマス・クレッチマン、『月影の下で』のクレオパトラ・コールマン、『イヴ・サンローラン』のジャリル・レスペールなど、著名な俳優たちが脇を固めている。

アレクサンダー・スカルスガルドとミア・ゴスが初共演し、取り返しのつかない転落と倒錯。不可思議で、恐ろしく、どこか可笑しくもある、スタイリッシュでスリリングな唯一無二のクローネンバーグワールドがスクリーンに繰り広げられ、全米でスマッシュヒットを記録した。

ブランドン監督の父親デヴィッド・クローネンバーグ監督は、超能力戦を描いた「スキャナーズ」（81）、カルト的人気を博した「ヴィデオドローム」（82）、「ハエ男の恐怖」（５８）をリメイクした「ザ・フライ」（86）などの独特のホラー映画などで知られ、俳優としてもテレビシリーズ「エイリアス」などに出演している。