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映画
「第17回アジア・フィルム・アワード」ノミネーション発表 黒沢清監督、日本人初の審査委員長に就任
(2024年1月12日21:15)
3月10日に香港にて開催される、アジア全域版アカデミー賞「第17回アジア・フィルム・アワード」(AFA)の各ノミネーションが12日発表され、濱口竜介監督の「悪は存在しない」が最多6部門にノミネートされた。また、黒沢清監督が日本人初の審査委員長に就任した。
本年は、アジア24の国と地域より35作品のノミネート(全16部門)があり、濱口監督の『悪は存在しない』が作品賞や監督賞を含む最多6部門でノミネート。作品賞は他に、今年の東京国際映画祭(TIFF)のオープニングを飾り、アカデミー賞国際長編映画賞の日本代表作品『PERFECT DAYS』(ヴィム・ヴェンダース監督)、同じく6部門でノミネートしているキム・ソンス監督の『12.12:The Day(英題)』(韓国)、プラサンナ・ヴィターナゲー監督の『Paradise』(スリランカ・インド)、そして2023年5月に逝去したペマ・ツェテン監督の作品で36回TIFFの東京グランプリ受賞作品『雪豹』(中国)がノミネートされ、最優秀作品賞を競う。
日本からは他に、カンヌ映画祭で『PERFECT DAYS』の演技で最優秀男優賞を受賞した役所広司が、主演男優賞にノミネートされた。さらに、カンヌ映画祭で脚本賞を受賞した『怪物』の是枝裕和監督が監督賞に、また菊地凛子(『658km、陽子の旅』)が主演女優賞候補として名をつらねている。また、中村獅童(『首』)が助演男優賞、浜辺美波さん(『ゴジラ-1.0』、36回TIFFクロージング作品)と筒井真理子(『Last Shadow at First Light(原題)』)が助演女優賞、白田迪巴耶(しらたみはや)(『Last Shadow at First Light(原題)』)が新人賞に選出されるなど、日本の7作品が計15部門でノミネートされた。
アジア・フィルム・アワード・アカデミー(AFAA)はさらに、世界的にも高い評価を受ける黒沢清監督が、日本人監督としては初めて、審査委員長を務めることを発表した。黒沢監督は、2021年の第15回AFAにて、『スパイの妻』で最優秀作品賞を受賞している。黒沢監督は、他世界中の映画人が務める審査員たちと200名を超える投票メンバーを率いて、今年の受賞者を決定する。
黒沢清監督は「名誉ある役目を頂き、大変光栄に思っております。アジアは映画の宝庫です。それはこの地域が持つ、様々な現実、様々な物語、そして様々な人々の間に流れている豊かな多様性から来るものだと考えています。このアジア・フィルム・アワードで今年もこれまで誰も見たことのなかった豊かな、全くユニークな作品に出会えることを楽しみにしています。」とコメントを寄せた。
また、先日発表された通り、『エゴイスト』で第16回AFAの最優秀助演男優賞を受賞した宮沢氷魚が、3人のアジアのスターとともに日本人初のYouth Ambassadorに任命され、AFAの授賞式に一緒に登壇するだけでなく、その他の関連イベントに参加し、ファンや映画好きとの交流を通じて彼らの作品やアジア映画への情熱について語る予定。
AFAの授賞式は、今年も香港で開催される。西九龍(ウエストカオルーン)文化地区の戯曲センター(Xiqu Centre)にて2024年3月10日(日)に開催予定。AFAA公式YouTubeチャンネルでもライブ配信予定。(https://www.youtube.com/@AsianFilmAwardsAcademy
■アジア・フィルム・アワード (主催:アジア・フィルム・アワード・アカデミー)
2007年に創設されたアジア映画を対象とした映画賞。東京国際映画祭は2013年より、香港国際映画祭、釜山国際映画祭と共にアジア・フィルム・アワード・アカデミーを創設し、アジアの映画業界と連携し、その年のアジアの映画人を表彰しスポットライトを当てることでアジア映画ファンの創出、世界へのアジア映画の振興、文化交流を図っている。
アジア・フィルム・アワード公式サイト:http://www.afa-academy.com