「クリーン ある殺し屋の献身」エイドリアン・ブロディが孤独な元殺し屋役で新境地

(2022年8月31日13:00)

「クリーン ある殺し屋の献身」エイドリアン・ブロディが孤独な元殺し屋役で新境地
「クリーン ある殺し屋の献身」のエイドリアン・ブロディ

「戦場のピアニスト」でアカデミー主演男優賞を受賞したエイドリアン・ブロディが少女と心を通わせる孤独な元殺し屋を演じるハード・アクション「クリーン ある殺し屋の献身」が9月16日に公開される。同作のメイキング写真がこのほど公開された。

ブロディは本作で、清掃車で街を回りゴミ収集を行う「クリーン」と呼ばれる清掃人の仕事をしながら都会の闇に生きる男を演じている。その男は過去に「クリーナー」と呼ばれる凄腕の殺し屋だった。無口で孤独な元殺し屋は、ある少女と心を通わせるが、少女が街のギャングのボスの息子に無理やりパーティーに連れ込まれて危機に陥った時、再び武器を手にして壮絶な戦いに身を投じてゆく。大都会の闇を描き「レオン」や「タクシードライバー」を想わせる、エモーショナルなアクション・ドラマで、ブロディは孤独な元殺し屋をリアルに圧倒的な存在感を見せて演じ、壮絶なガンファイト・シーンも圧巻だ。

「クリーン ある殺し屋の献身」のエイドリアン・ブロディ
「クリーン ある殺し屋の献身」のエイドリアン・ブロディ

ブロディは「戦場のピアニスト」でアカデミー主演男優賞を受賞。その後も「キング・コング」、「プレデターズ」、「グランド・ブダペスト・ホテル」などで活躍を続け、本作では主演だけではなく製作・脚本・音楽まで手掛け、その多才ぶりを発揮している。共演は「ジョーカー」のグレン・フレシュラー、「パージ:大統領令」のミケルティ・ウィリアムソン。そして著名なラッパー、ヒップホップ・アーティストで、映画監督や俳優としても活躍しているRZAが出演している。監督は、「キラー・ドッグ」に続いてブロディとチームを組むポール・ソレット。

「クリーン ある殺し屋の献身」エイドリアン・ブロディが孤独な元殺し屋役で新境地
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■アカデミー賞俳優エイドリアン・ブロディの多彩な魅力

ブロディは、2002年公開の「戦場のピアニスト」でナチス侵攻下のポーランドを生き抜いた実在のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンを演じ、史上最年少の29歳でアカデミー主演男優賞を受賞した。孤独なピアニストの役を演じるために、車を売却し、電話も不通にさせ、住居を手放しドイツとポーランドのホテルの部屋でピアノを練習しながら一人で暮らすというストイックな役作りで、体重も58㎏まで落とし、役にとりつかれたような演技を見せて高く評価された。

賞をとって順風満帆な役者人生を過ごすかと思われたブロディだったが、M・ナイト・シャマラン監督の「ヴィレッジ」や、ピーター・ジャクソン監督の「キング・コング」、ウェス・アンダーソン監督の「ダージリン急行」など、出演作が相次いで酷評される不運な時期を過ごす。そして俳優業の調子が上がらずこのままではダメだと気づいたブロディは、新規の依頼をすべて断り、芸術家たちと付き合い始め、絵を描き、作曲し、海外を旅して回ったことで、「ずっと残る何かを作り出すこと」を意識するようになったという。

そんな新生ブロディがハリウッドに返り咲いたのが本作で、さらに、マリリン・モンローの生涯を描いたNetflixの「ブロンド」(9月28日配信開始)では、モンローの3人目の夫で劇作家のアーサー・ミラーを演じており、幅の広い役柄の出演が続いている。