「ストーリー・オブ・マイ・ワイフ」 レア・セドゥが船長の魅惑の妻を甘美にミステリアスに熱演

(2022年8月9日13:45)

「ストーリー・オブ・マイ・ワイフ」 レア・セドゥが船長の魅惑の妻を甘美にミステリアスに熱演
「ストーリー・オブ・マイ・ワイフ」(©2021 Inforg-M&M Film–Komplizen Film–Palosanto Films–PyramideProductions-RAI Cinema-ARTE France Cinéma–WDR/Arte)

貨物船の船長と魅惑的でミステリアスな妻の出会いと波乱に富んだ結婚生活を描いた官能的でサスペンスフルなラブロマンス。船長の妻リジー役に「アデル、ブルーは熱い色」(2013年)、「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」(2021年)などのレア・セドゥ。船長のヤコブ役に、「THE  PETER PAN MAN」(2014年)とTVシリーズ「JUDAS」(2019年)でオランダ映画祭の最優秀俳優賞を受賞したオランダの人気俳優ハイス・ナバ―。リジーの友人役に「SAINT LAURENT サンローラン」(2014年)や「グッバイ・ゴダール!」(2017年)のルイ・ガレル、ほかにセルジオ・ルビーニ、ルナ・ウェドラーなどのキャスト。
監督・脚本は長編デビュー作「私の20世紀」(1989年)で第42回カンヌ国際映画祭のカメラ・ドールを受賞し。「心と体と」(2018年)で第67回ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞したハンガリーのイルディコー・エニェディ。第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作。原作はハンガリーの作家で詩人のミラン・フストの1957年の小説「L'histoire de ma femme」(私の妻の物語)。
2021年/ハンガリー・ドイツ・フランス・イタリア/169分/配給:彩プロ。

「ストーリー・オブ・マイ・ワイフ」 レア・セドゥが船長の魅惑の妻を甘美にミステリアスに熱演
「ストーリー・オブ・マイ・ワイフ」(©2021 Inforg-M&M Film–Komplizen Film–Palosanto Films–PyramideProductions-RAI Cinema-ARTE France Cinéma–WDR/Arte)

■ストーリー

1920年のマルタ共和国。貨物船の船長ヤコブ(ハイス・ナバ―)は、友人のコードー(セルジオ・ルビーニ)とカフェで会っていた時に、結婚しないのかと聞かれて「店に最初に入ってきた女」と結婚するという。そして、たまたま店に入ってきた魅力的で謎めいた美女リジー(レア・セドゥ)に声をかけその場で結婚を申し込むと、二枚目船長に興味を持ったリジーが話に乗って結婚することになる。その週末に2人だけの結婚の儀式を行い、負けると1枚ずつ服を脱ぐ「船乗りのポーカー」をして船長は負け全裸になるなど笑いあい盛り上がって、初夜を迎える。翌朝船長は「4か月で戻る」と告げて船に戻る。甘く官能的な新婚生活が始まるが、リジーの友人デダン(ルイ・ガレル)の登場により、ヤコブは2人の仲を疑い嫉妬し、探偵に依頼して調査させるなどして、波乱に富んだドラマが展開してゆく。

「ストーリー・オブ・マイ・ワイフ」 レア・セドゥが船長の魅惑の妻を甘美にミステリアスに熱演
「ストーリー・オブ・マイ・ワイフ」(©2021 Inforg-M&M Film–Komplizen Film–Palosanto Films–PyramideProductions-RAI Cinema-ARTE France Cinéma–WDR/Arte)

■見どころ

「アデル、ブルーは熱い色」(2013年)で主人公アデルの恋人役を濃密な同性愛シーンを含めて熱演し、作品へのパルムドールと同時にアデル役のアデル・エグザルコプロスと共に史上初めて俳優としてパルムドールを受賞。さらには「007」シリーズなどハリウッドのメジャー作品にも数多く出演しているフランスの国際的女優レア・セドゥが、若く美しい妻を魅惑的にコケティッシュに、官能的に、そしてミステリアスに演じて彼女の女優としての魅力全開の映画になっている。そして、船火事を的確な指示で処理でするなど有能な船長の仕事ぶりや、リジーの魅力の虜となり振り回されてゆく船長役をハイス・ナバ―が渋みを効かせた演技で存在感を見せている。さらにリジーとデダンの謎めいた関係がからんだ夫婦生活の波乱とサスペンスフルな展開も見どころの一つで、レア・セドゥを中心に繰り広げられる男と女のディープなドラマに魅了される。
(8月12日(金)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座、ユーロスペースほか全国公開)