「N号棟」幽霊団地で起きる怪奇現象の真相を追跡する異色のホラー

(2022年4月28日11:30)

「N号棟」幽霊団地で起きる怪奇現象の真相を追跡する異色のホラー
「N号棟」(©「N号棟」製作委員会)(配給:SDP)

2000年に実際に起きた幽霊団地騒動を題材に、無人の団地の一棟に起きる怪奇現象を撮影しようと訪れた3人の若者が体験する恐怖のオカルチックな現象とその背後に存在する謎の集団を描いたホラー映画。「なれの果て」(2021年)などで注目されている萩原みのり、子役時代から数々の作品に出演している山谷花純、「夏、至るころ」(2020年)、「衝動」(2021年)と主演作が続く倉悠貴、ベテラン筒井真理子などのキャストで、「リトル・サブカル・ウォーズ~ヴィレヴァン!の逆襲~」(2020年)の後藤庸介が脚本・監督を務めた。

「N号棟」無人の幽霊団地で起きる怪奇現象の真相を追跡するホラー
「N号棟」(©「N号棟」製作委員会)(配給:SDP)

■ストーリー

とある地方都市に、かつて霊が出るといううわさで有名になった団地があり、死恐怖症(タナトフォビア)を抱える女子大生の史織(萩野みのり)は、元カレの啓太(倉悠貴)が恋人の真帆(山谷花純)を連れて卒業制作のホラー映画のロケハンのため同団地行くことを知り、興味本位で同行する。団地は廃墟同然だったが、そこには今も住人がいた。リーダー格の加奈子(筒井真理子)や年長者の男(諏訪太朗)ら住人に歓迎されるが、突然ドアが勝手に開閉し、テレビのチャンネルが勝手に切り替わり、何かを叩く音が部屋中に響きなどの激しいラップ現象に襲われる。さらには住民の1人が突然階下に飛び降り自殺を図るが、住人たちは顔色一つ変えなかった。住人たちは白衣を着て集団で踊りだすなと奇妙な行動を繰り広げ、やがて啓太と真帆は超常現象や臨死浮遊、霊の出現などの「神秘的体験」に魅せられてゆき、事態は異様な展開を見せてゆく。

■見どころ

脚本・監督の後藤庸介は「かつて某団地で実際に起きた事件の真相を、僕なりに解釈して映像化した作品です。窓が突然開き、テレビが勝手について、天井や壁から激しい音が鳴る…団地内で続発する不可解なラップ現象を起こしたのは、いったい『誰』なのか?ご本人も『記憶がない』と語る、クライマックスにおける萩原みのりさんの演技はもはやドキュメンタリーでした。その顔は、今まで全く見たことのない、恐ろしいものでした」と語っている。
映画に登場する数々のオカルト現象はリアルで、スプラッターシーンも加わってエスカレートしていく。萩原、倉、山花の3人の若手俳優が恐怖体験をする若者を熱演。団地に住む謎のカルト集団のリーダー格の加奈子役の筒井真理子の不気味な演技も圧巻でホラーをあおる。加奈子が独特で異様な死生観について3人に説くシーンも印象的で「実話を基にした考察型恐怖体験ホラー」(公式サイト)だとしている。
(2022年4月29日(金・祝)新宿ピカデリーほか全国公開)