「デッド・ドント・ダイ」 ジム・ジャームッシュ監督初のゾンビ・コメディ

(2020年6月13日)

「デッド・ドント・ダイ」 ジム・ジャームッシュ監督初のゾンビ・コメディ
「デッド・ドント・ダイ」(インスタグラムから)

「ストレンジャー・ザン・パラダイス」や「ミステリー・トレイン」などで知られるジム・ジャームッシュ監督がビル・マーレイ、アダム・ドライバー、ティルダ・スウィントンら個性派俳優のキャストで描く異色のゾンビ・コメディ映画。昨年の第72回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品されオープニングを飾ったスウェ―デン・アメリカ合作映画。3月に一部で先行上映されたがコロナの影響で公開が延期になっていたが緊急事態宣言全面解除で3か月ぶりの公開となった。

■ストーリー

のどかな田舎町のセンタービルで動物たちが突然異常行動をとり始める。科学者たちが調査に乗り出すが原因が突き止められず、やがて街の墓地から次々と死者がゾンビとなって甦り待ちを襲い、町の小さな警察署のクリフ・ロバートソン署長(ビル・マーレイ)と警官のロナルド・ピーターソン(アダム・ドライバー)、ミネルヴァ・モリソン(クロエ・セヴィニ―)や日本刀でゾンビを斬りまくる葬儀屋のゼルダ(ティルダ・ウィンストン)らが生き残りをかけてゾンビの群れに立ち向かう。

■みどころ

「シャルドネ…」とワインの名前をつぶやく酔った女性のゾンビや、テニスウエアを着てラケットを持った「スポ根ゾンビ」、「コーヒー…」とつぶやくゾンビなど大量に発生するゾンビのキャラクターがユニークで、とぼけた味のビル・マーレイとアダム・ドライバーのコンビがシリアスに演じるほど笑わせるシーンも。また、日本刀を巧みに使う謎の葬儀屋をティルダ・スウィントンが不気味な存在感を見せている。あのセレーナ・ゴメスが友人たちと町を訪れゾンビに襲われる旅行客の役で登場するシーンもある。ジャームッシュ監督流の異色の存部映画になっている。先週公開されて週末の観客動員数が「心霊喫茶『エクストラ』の秘密 The Real Exorcist」に次ぐ2位(興行通信社調べ)と健闘している。 (6月5日公開)