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「初恋」 窪田正孝がハードボイルドなラブストーリーを熱演 染谷将太とベッキーが狂気の演技

(2020年2月29日)

「初恋」窪田正孝がハードボイルドなラブストーリーを熱演 染谷将太とベッキーは狂気の演技
「初恋」(渋谷TOEI)

若いボクサーが、男から逃げていた少女を助けたことをきっかけにヤクザ、チャイニーズマフィア、マル暴担当刑事らが入り乱れた抗争に巻き込まれるハードボイルドなラブストーリー。窪田正孝、大森南朋、染谷将太、小西桜子、ベッキーらのキャストで、監督は「クローズZERO」シリーズ、「十三人の刺客」(2010年)、「藁の楯」(2013年)など過激な暴力描写で知られる三池崇史。昨年のカンヌ国際映画祭「監督週間」など世界で30以上の映画祭から招待され、日本公開に先駆けて昨年9月から全米公開された話題作。

■ストーリー

若手の有望なボクサー葛城レオ(窪田正孝)は負けるはずのない相手にKOされ、医師からは脳腫瘍で余命いくばくもないと宣告されて意気消沈して街を歩いていたところ、男から逃走していた少女モニカ(小西桜子)に助けを求められて、追って来た男(大森南朋)を倒す。その男はヤクザと抜き差しならない関係にはまっていた暴力団担当の刑事の大伴で、ヤクザの加瀬(染谷将太)と手を組んで組織の覚せい剤を横取りしようとしていた。大伴らの計画は思わぬアクシデントで筋書きが狂い、覚せい剤をめぐってヤクザとチャイニーズマフィアの抗争に発展してレオとモニカは両方から狙われる。

■見どころ

「初恋」のタイトルからは想像つかないハードで奇想天外な展開がなんとも異色なラブストーリーになっている。窪田正孝が命がけで行きずりの少女を守ろうとするボクサーを熱演。染谷将太が狂気をはらんだ若いヤクザ役で鬼気迫る演技を見せ、ベッキーが、恋人の若手ヤクザ・ヤス(三浦貴)を殺されて逆上して復讐に走るジュリ役でこれまでのイメージを覆す鬼気迫る暴れぶりを見せている。

さらには大森南朋がヤクザに取り込まれる暴力団担当刑事で、内村聖陽が武闘派ヤクザ役で存在感を見せている。オーデイションで3000人の中からヒロインのモニカ役に抜擢された小西桜子は個性的でフレッシュな演技が印象的。往年の東映ヤクザ映画をほうふつとさせる展開と三池監督ならではの激しいバイオレンス・シーン満載でボクサーと少女の純愛を描いている。(2020年月28日公開)