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「スキャンダル」 シャーリーズ・セロンがテレビ局のドンのセクハラと闘った女性キャスターを熱演

(2020年2月22日)

「スキャンダル」 シャーリーズ・セロンらがテレビ局のドンのセクハラと闘った女性キャスターを熱演
「スキャンダル」(TOHOシネマズ新宿)

2016年に米FOXニュースのCEOがキャスターからセクハラを告発され全米を騒然とさせたスキャンダルを題材に、シャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビーの3大女優の競演で映画化した話題作。シャーリーズ・セロンが特殊メークでトランプ大統領の天敵といわれたトップ・キャスター、メーガン・ケリーそっくりの顔になって熱演してアカデミー賞の主演女優賞にノミネートされた。新人キャスター役のマーゴット・ロビーが同助演女優賞にノミネートされ、セロンの特殊メークを担当した辻一弘氏が「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」に続いて2度目のオスカー(メーキャップ&ヘアスタイリング賞)を受賞した。

■ストーリー

トランプ寄りといわれる米ニュース専門放送局のFOXニュースは視聴者数でCNNをしのいで全米トップに立っていた。同局に君臨するCEOのロジャー・エイルズ(ジョン・リスゴー)は、若手のケイラ・ポシュピシル(マーゴット・ロビー)を局の自分の部屋で、キャスターの仕事をちらつかせながら目の前でスカートをまくり上げさせるなどセクハラを働いていた。そうしたなか、ベテラン・キャスターのグレッチェン・カールソン(ニコール・キッドマン)が理不尽な解雇をされたことをきっかけにロジャーのセクハラを告発してFOXニュースに激震が走る。ロジャーが反撃に出るなか、看板番組を担当し、トランプ大統領とやり合っていた人気キャスター、メーガン・ケリー(シャロン・ストーン)は最初沈黙していたが、新たな告発者が現れ局内に変化が起きていく。

■見どころ

米テレビ界を揺るがしたテレビ局トップのセクハラ・スキャンダルの全貌がスクリーンに再現される。実際にあった事件だけにリアルでテレビ局に君臨するボスと立場が弱いはずのキャスターたちの攻防はスリリングだ。ロジャーのセクハラの実態も詳細に描いている。シャーリーズ・セロンは辻一弘氏の特殊メークで本物そっくりのメーガン・ケリーになり切った。メーガンといえば2016年の大統領選中に、当時の共和党の大統領候補トランプ氏の討論会(FOXニュース主催)で同氏の女性蔑視発言を問い正して、トランプ氏から「目から血が出ていた」などとメーガンが生理中だったために厳しく当たったとほのめかし、からかう発言をして物議をかもしたことがあったが、当時のトランプ氏のニュース映像と共にそのシーンも登場する。そんなメーガンがトップのセクハラ疑惑にどう関わっていくのかも見どころだ。
(2020年2月21日公開)