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「ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏」3大女優が作家替え玉事件の実録映画で華麗な競演

(2020年2月16日)

「ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏」3大女優が替え玉事件の実録映画で華麗な競演
「ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏」 (新宿シネマカリテ)

アメリカ文壇にすい星のごとく登場して世界のセレブやアーティストから熱烈に支持された神秘的な美少年のベストセラー作家J・T ・リロイが、実は女性でしかも実際に小説を書いた女流作家ローラ・アルバートの替え玉だったという米国で実際にあった前代未聞の事件を映画化した米・英・カナダ合作映画。ローラ・ダ―ン、クリステン・スチュワート、ダイアン・クルーガーの実力派女優なドのキャストで、「King Cobra」(2016年)などのジャスティン・ケリーが監督・脚本・製作総指揮を務めた。

■ストーリー

1999年、サンフランシスコ。ローラ・アルバート(ローラ・ダ―ン)はJ・T・リロイのペンネームで「サラ、神に背いた青年」を書き上げ、「著者の実体験に基づいた小説」と偽って発表。主人公は「ウェストバージニア州出身の18歳の男性で、母親に強制されて男娼になった人物」という設定にした。小説はベストセラーになるが、取材の依頼が殺到して困ったローラは、パートナーのミュージションの妹サヴァンナ(クリステン・スチュワート)に目をつけ、彼女を50ドルで雇い、男装させてJ・T・リロイに仕立て上げマスコミの前に出した。リロイは神秘的な風貌で人気になり、フランスの女優で映画監督のエヴァ(ダイアン・クルーガー)がニセのJ・T・リロイのサヴァンナにほれ込み小説を映画化することに。ローラとサヴァンナは世間をだまし続けていくがサヴァンナは次第にリロイを演じることに違和感を感じていく。

■みどころ

実際の事件で6年間替え玉を演じたサヴァンナ・クヌープが2007年に発表した自伝「Girl Boy Girl : How I Became JT Leroy」を原作に、彼女が監督と共に脚本・製作総指揮を務めている。「事実は小説より奇なり」ということわざを地でいくようなストーリーで、いつバレるのかとスリリングな展開が続く。またサヴァンナがエヴァと恋に落ちてローラが嫉妬するなど3人の女性の葛藤も描いている。そうした奇想天外なドラマを「マリッジ・ストーリー」でアカデミー賞助演女優賞を受賞した女優ローラ・ダ―ン、「トワイライト」シリーズのクリステン・スチュワート、「女は二度決断する」(2017年)でカンヌ国際映画祭の女優賞を受賞したダイアン・クルーガーが熱演していて見ごたえがある。
(2020年2月14日公開)