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「プロジェクト・グーテンベルグ―贋札王―」 香港ノワールのチョウ・ユンファが復活

(2020年2月9日)

「プロジェクト グーテンベルグー贋札王―」 香港ノワールのチョウ・ユンファが復活
「プロジェクト・グーテンベルグー贋札王―」 (新宿武蔵野館)

チョウ・ユンファとアーロン・クオックの香港2大スターの競演でドル札偽造の大掛かりな犯罪を実行するグループと香港警察の攻防を「インファナル・アフェア」のフェリックス・チョン監督が映画化した話題作。

■ストーリー

逮捕された国際的なドル札偽造集団のメンバー、レイ・マン(アーロン・クオック)がタイの刑務所から香港警察に身柄を移送され取り調べを受けるが、そこにレイの友人を名乗る著名な女流画家ユン・マン(チャン・ジンチュー)が現れてレイの保釈を請求する。ホー副署長(アレックス・フォン)は、保釈の条件として行方不明のチームの首謀者の“画家”(チョウ・ユンファ)について話すことを要求し、レイは犯行に手を染めたきっかけやドル札偽造の手口などについて事件の詳細を話し始める。

1995年、カナダ・バンクーバーで恋人同士だったレイとユンは画家を目指していた。ユンは才能を認められ個展を開くことになるが、レイは有名作家の贋作を手掛けるなど落ちぶれていた。そんななか、”謎の画家“(チョウ・ユンファ)が現れ、大掛かりなドル札の偽造計画を持ち掛ける。彼のカリスマ性に惹かれたレイは彼が率いるドル札偽造集団に加わり、アメリカ政府が新たに発行する100ドル札の精巧な偽札の製造に取り組み、やがて大事件へと発展してゆく。

■見どころ

チョウ・ユンファが1980年代後半に”香港ノワール“と呼ばれて大ヒットした「男たちの挽歌」シリーズをほうふつとさせるディ―プなクライム・アクション・サスペンスを見せている。アーロン・クオック扮する売れない画家レイの天才的な贋作技術や印刷技術、紙の調達などのエキスパートが集まり大掛かりなドル札偽造の手口の描写もスリリングだ。チョウ・ユンファ扮するカリスマ的なリーダーの”画家“とレイの友情と裏切りのドラマやレイと恋人の画家ユンとの運命的な関係、さらには”画家“の黄金のトライアングルを仕切る将軍への復讐、香港警察とグループの攻防など、香港ノアール独特の裏切りと復讐が渦巻く人間関係が複雑に入り組んで二転三転する緊迫したドラマが最後まで続く。
(2020年2月7日公開)