「The Crossing―ザ・クロッシングーPartⅠ、Ⅱ」激動の時代の3組の男女の愛と希望と悲恋

(2019年6月17日)

「The Crossing―ザ・クロッシングーPartⅠ、Ⅱ」
「The Crossing―ザ・クロッシングーPartⅠ、Ⅱ」(シネマート新宿)

香港時代のノアール系アクション映画「男たちの挽歌」シリーズや、「レッドクリフ」、トム・クルーズ主演のヒットシリーズの2作目「M:Ⅰ-2」などのヒット作で知られる巨匠ジョン・ウー監督(73)が、1949年1月27日、中華民國中聯企業公司の大型客船太平輪が上海から台湾の基隆市に向けて航海中に貨物船と衝突して沈没。1000人が死亡し50人が救出され”中国のタイタニック号沈没事故”と呼ばれた太平輪沈没事故を題材に、同船に乗り合わせた3組の男女の数奇の運命を壮大なスケールで描いた総製作費76億円の中国・香港合作映画。PartⅠでは3組の男女の物語が別々に進行していき、沈没事故のシーンはPartⅡのクライマックスで描かれている。

金城武、チャン・ツィイー、ホアン・シャオミン、ソン・ヘギョ、そして長澤まさみなど日中韓の人気俳優が競演しているのも見どころ。

1945年、中国では蒋介石率いる国民党の軍隊と毛沢東率いる共産党の軍隊による激しい内戦が続き、国民党軍が劣勢に追い込まれていた。そうしたなか、国民党の将校レイ・イーファン(ホアン・シャオミン)は、上海の舞踏会で銀行頭取の令嬢チョウ・ユンフェン(ソン・ヘギョ)と出会い恋に落ち結婚するが、身重のユンフェンを気遣って台湾に疎開させ自らは内戦の最前線に向かう。ユンフェンは新居で「ザークン」(金城)のサインがある絵を見つけ額裏から「雅子」(長澤)の日記を発見する。ザークンは台湾で医師の仕事をしていたが、幼馴染の雅子からの手紙を待ち続けていた。ザークンがユンフェンを診察したことがきっかけで、彼女からザークンの絵と雅子の日記の存在を知らされる。

ユイ・チェン(チャン・ツィーイー)は、出征したまま行方不明になった恋人を探すために従軍看護婦に志願し、見知らぬ兵士トン・ターチン(トン・ダーウェイ)と家族のふりをして写真を撮り食糧の配給をもらったりしてしのいでいた。この3組の男女のドラマが交錯しながら太平輪沈没事故へと展開していく。

監督が伝えたかったのは「不穏な時代ほど、愛の偉大さは際立つ」という普遍のメッセージだということだが、まさに中国の内戦という激動の時代に交錯する男女の愛と希望と悲恋をジョン・ウー監督独特のエモーショナルな描写で観客を魅了する。また国民党軍と共産党軍の激しい戦闘シーンや客船沈没のパニックシーンも圧巻だ。
(シネマート新宿などで2019年6月7日、PartⅠ、14日、PartⅡ公開) 米人気俳優クリス・プラット(39)とシュワちゃんことアーノルド・シュワルツェネッガー(71)の長女キャサリン・シュワルツェネッガー(29)が8日(現地時間)、カリフォルニア州モンテチートのサン・イシドロ牧場で結婚式を挙げた。2人はキャサリンの母親のマリア・シュライバー(63)の紹介で昨年6月に交際をスタートして今年1月に婚約していた。プラットは女優のアンナ・ファリス(42)と結婚して息子をもうけたが2017年に離婚していて再婚になる。キャサリンは初婚。