「パラレルワールド・ラブストーリー」玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太が異次元の世界の恋愛ドラマを熱演

(2019年6月4日)

パラレルワールド・ラブストーリー
「パラレルワールド・ラブストーリー」(新宿ピカデリー)

並行する2つの世界(パラレルワールド)を行き来する3人の男女の恋愛を描いた東野圭吾の同名ベストセラー小説をKis-My-Ft2の玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太のキャストで映画化した異色のラブストーリー。「宇宙兄弟」「聖の青春」の森義隆監督がメガホンをとった。

主人公の敦賀崇史(玉森)は、学生時代に毎朝決まった時間に並行して隣を走る電車に乗っていた津野麻由子(吉岡)にひそかに思いを寄せていた。大学院を首席で卒業後最先端の研究を行うバイテック社に入社。中学時代からの親友の三輪智彦(染谷)も同じ会社に就職していた。 ある日、智彦から初めてできた彼女を紹介されるがその女性は麻由子だった。だが、もう一つの別の世界がありそこでは麻由子は自分の恋人で2人は同棲していた。2つの世界に迷い込んだ崇史は混乱するが、やがて2つの世界をつないでいるものが次第に明らかになって衝撃的な真相が浮上するというストーリー。

2つの顔を持つ謎めいたヒロインの麻由子に翻弄される困惑や苦悩、募る恋愛感情、親友への思いの中で葛藤する主人公を玉森が細やかに演じている。また映画やドラマで個性的な演技を見せて注目されている新進女優吉岡がミステリアスなヒロイン役で存在感を見せ、さらには演技派染谷が2人の間で揺れ動く智彦を好演している。玉森と吉岡のベッドシーンも見逃せない。

2つの世界にそれぞれ別人のように存在する麻由子の謎めいた立ち振る舞いに、崇史と一緒になって観客も翻弄され、複雑に入り組んだパズルのような展開が続いて最後まで目が離せない。3人が取り組んでいる最先端の研究の内容が難解で解りにくい感じもしたが、ミステリーとして、またラブストーリーとしても見ごたえがある作品になっている。 (2019年5月31日公開)