「七つの会議」野村萬斎や香川照之ら個性派俳優が火花を散らす群像劇

(2019年2月1日)

  • 七つの会議
  • 「七つの会議」(TOHOシネマズ渋谷)
  • 「下町ロケット」「陸王」などで知られるベストセラー作家・池井戸潤原作の同名企業犯罪小説を野村萬斎、香川照之、及川光博、片岡愛之助などの豪華個性派俳優陣のキャストで映画化した。監督は映画「祈りの幕が下りる時」や「下町ロケット」「陸王」などの池井戸ドラマを手掛けた福沢克維。

    都内の中堅メーカー・東京建電の定例会議で営業部長の北川誠(香川)は、エリートの営業第一課長の坂戸(片山)や、営業第二課長の原島(及川)を目標が達成できなかったと厳しく叱責し、原島はそのストレスから吐いてしまうほどだった。そんな中、営業一課の万年係長の八角(野村)はなんと定例会議で居眠りし、有給休暇を申請して坂戸課長の怒りを買い罵倒されるが、八角がパワハラを訴えて坂戸は左遷されてしまう。うだつの上がらない原島が営業第一課長に起用されるが、会社がひた隠しにしていた重大な不祥事が次第に浮かび上がって来るというストーリー。

    物語のキーマンとなる八角役の野村が独特な顔面演技やせりふ回しでドラマを盛り上げている。北川役の香川との顔面演技対決も見ものだが、2人の対決とそれを取り巻く会社の人間たちのドラマは決して絵空事ではなく、サラリーマン社会が抱える問題に迫っていて奥行きがあり骨太な「企業犯罪エンターテインメント」になっている。(2019年2月1日公開)