「ROMA/ローマ」アカデミー賞最多10部門ノミネートのアルフォンソ・キュアロン監督の半自伝的作品

(2019年1月24日)

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  • 「ROMA/ローマ」(Netflixで配信)

第86回アカデミー賞の監督賞、主演女優賞(サンドラ・ブロック)など7部門で受賞した「ゼロ・グラビティ」(2013年)などを手掛けたメキシコの映画監督アルフォンソ・キュアロン監督の最新作で、1970年代のメキシコシティのローマ地区を舞台に、若い家政婦を中心にメキシコの中流家庭の人間関係やドラマを描いた作品。メキシコシティで育ったキュアロン監督の半自伝的作品といわれる。昨年11月21日からアメリカで限定で劇場公開され12月14日からNetflixで配信された。

全編白黒で、Netflix作品として初めてベネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞。ゴールデングローブ賞で外国語映画賞、監督賞を受賞。そして第91回アカデミー賞(2月24日発表)に作品賞、監督賞、脚本賞、外国語映画賞、主演女優賞(ヤリッツア・アパリシオ)、助演女優賞(マリーナ・デ・タビラ)など10部門にノミネートされた。「女王陛下のお気に入り」と並んで最多ノミネートとなった。

メキシコシティのローマ地区の中流家庭に住み込みで働いている若い家政婦のクレオ(ヤリッツア・アパリシオ)は、雇い主の医者アントニオ(フェルナンド・グレディアガ)とその妻ソフィア(マリーナ・デ・タビラ)、夫妻の4人の子供、ソフィアの母のテレサ(ヴェロニカ・ガルシア)、同僚の家政婦アデラ(ナンシー・ガルシア)と暮らし、仕事をこなしていた。そうしたなか、クレアはアデラのボーイフレンドの友人のフェルミン(ホルヘ・アントニオ・ゲレーロ)と交際するようになり妊娠するが、フェルミンは赤ん坊に父親であることを認めず2度と会いに来るなと脅されてしまう。さらにはアントニオに愛人がいて別居することになるなどさまざまな出来事が起きる中、ソフィアや子供たち残された家族とクレアは様々な困難に立ち向かい絆を深めていく。

Netflixで見たが、モノクロの映像で描かれる光景や人物の映像がきれいで独特の世界を見せてくれる。またクレアの生きざまと家族たちのドラマも最後まで引き付けられた。(日本では昨年の東京国際映画祭で特別招待作品として上映され12月14日からNetflixで配信中)