「ホイットニー・ヒューストン~オールウェイズ・ラヴ・ユー~」天才歌手の栄光と挫折

(2019年1月4日)

  • クリス・プラット
  • 「ホイットニー・ヒューストン」
    (TOHOシネマズ新宿)

2012年に48歳の若さで急死した米歌姫ホイットニー・ヒューストンの波乱の生涯を当時の記録フィルムや元夫の歌手ボビー・ブラウン(49)や関係者らのインタビューを織り交ぜながら描いた迫真のドキュメント映画。アルバムが1億4000万枚以上、シングルが5000万枚以上売れた天才歌手ヒューストンの栄光と挫折がスクリーンに蘇る。

母親が歌手シシー・ヒューストン(85)でグラミー賞歌手ディオンヌ・ワーウィック(78)は従姉で、11歳のときにジュニア・ゴスペル・クワイアに入ってニュジャジー教会で歌っていた。アリスタ・レコードの社長クライブ・デービスにスカウトされてデビュー。デビューアルバム「そよ風の贈り物」が大ヒットして圧倒的な歌唱力でヒット曲を連発していく初期のヒューストン。

1992年にケヴィン・コスナーと共演した主演映画「ボディガード」が公開されて大ヒットし、主題歌「オールウェイズ・ラヴ・ユー」が自身最大のヒットとなり一世を風靡する様子が再現され、コスナーのインタビューも収録されている。ネルソン・マンデラ大統領から要請を受けて、アパルトヘイト撤廃後の南アフリカで初めて行われた1994年の大規模なコンサートで同曲を歌うシーン、さらには1991年の第25回スーパーボウルでの伝説の国家独唱のシーンはまさに鳥肌ものだ。

1992年、R&B歌手ボビー・ブラウンと結婚して公私ともに絶頂を迎えるが”魔の手“が忍び寄る。夫婦での大麻・コカインの使用のうわさが絶えず、激やせし2004年にブラウンと離婚、リハビリ施設に入所。そして2012年2月11日、グラミー賞授賞式のパーティ―に出席するために宿泊していたビバリーヒルトン・ホテルの客室の浴槽に顔を沈めた状態で死亡しているのが発見された。コカインの使用による影響で心臓発作を起こしたと報じられた。ヒューストンの歌手生命を奪ったドラッグとの関係も描いて歌姫の”真実”に迫っている。(2019年1月4日公開)