カナダ人俳優12回の整形手術後死去の記事はフェイクニュースだった 米メディア報じる

(2023年4月28日18:30)

カナダ人俳優12回の整形手術後死去の記事はフェイクニュースだった 米メディア報じる
セイント・フォン・コルッチさんとされた写真

カナダ人俳優セイント・フォン・コルッチさん(22)がBTSのJIMIN(27)に似せるため12回の整形手術を受けた後に死亡したと報じた米サイト「TMZ」は27日(現地時間)、フェイクニュースだったと報じた。このニュースを最初に報じた英紙デイリー・メールは同記事を削除したという。一体だれが何のためにデマ情報を流したのか?

同サイトは、コルッチさんが12回の整形手術の結果、死亡したとのニュースは、大きなデマであることが判明したと報じた。セイント・フォン・コルッチという人物が存在しない可能性もあるという。

英紙デイリー・メールが、コルッチさんが22万ドルの費用をかけた手術の合併症により、23日朝(現地時間)、韓国の病院で死亡したと報じて、TMZもそれに続き、この記事を掲載した。

コルッチさんの広報担当と称する人物が、近日放送予定の韓国ドラマ 「Pretty Lies」で BTS のJIMINを演じるために 12 回の手術を受けたと伝えた。顎のインプラント、鼻の整形、フェイスリフト、唇の縮小、眉毛のリフト、目のリフトなどの手術をしたが、顎のインプラントを除去するために22日に手術を受けたが感染症を発症して数時間後に死亡したというストーリーだった。

だが、すべて嘘だったという。セイント・フォン・コルッチは実在の人物ではないという。デイリー・メールは26日(現地時間)、同記事を削除したという。削除の決定について公にコメントしていないが、米「iHeart Radio」は関係者の話として、デイリー・メールの編集者は、ニューヨーク在住の記者が騙されたと判断し、この話はすべてデマであるとしたという。

iHeartRadioは、この情報には明白な矛盾があり、そのどれもが真実であるという証拠に欠けると指摘していたが、TMZ、Page Six、カナダのPostmediaなどが取り上げていた。

ソウルのフリーランス・ジャーナリスト、ラファエル・ラシッド氏は、ツイッターでこの記事に対する懐疑的な見方を示し、「外国人男性が自分たちのアイドルのようになるためにとんでもない量の整形手術を受け、その過程で悲劇的な死を遂げるというアイデアは、人々の注目を集める種類の話です。さらに重要なのは、クリックを生むようなストーリーであるということだ。まさにパーフェクトストーム。特にJIMINのような愛される有名人が関わっている場合、人々はこのタイプのストーリーを信じたくなるのです」と指摘していたという。

グローバル・アフェアーズ・カナダは韓国メディアへの声明で、「韓国でカナダ人(1名)が死亡したという報道を承知しており、情報の確認に努めている」と述べたという。現時点では、これ以上の情報は得られていないようだ。韓国警察庁は、この報道を確認することができなかったと述べているという。

一体だれが何のためにこの偽情報を流したかだが、前出のラシッド氏は「おそらく、単に面白半分で、いたずらや何らかの社会実験として行われたのだろう」などと指摘している。