ケヴィン・スペイシー、英国で新たに7件の性犯罪で訴追へ 英検察当局発表

(2022年11月17日11:00)

ケヴィン・スペイシー、英国で新たに7件の性犯罪で訴追へ 英検察当局発表
ケヴィン・スペイシー(インスタグラムから)

米俳優ケビン・スペイシー(63)が、英国で新たに7件の性犯罪で訴追されることが分かった。16日(現地時間)、英検察当局が発表した。

米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、英国検察庁(CPS)特別犯罪部門の責任者のローズマリー・エインズリー氏は、「2001年から2004年の間に一人の男性に対する多数の性的暴行の罪で追加起訴することに同意した」と述べた。

新たな罪状は、強制わいせつと性的暴行でそれぞれ3件、さらに同意なしに性的行為をさせた強制わいせつと性的暴行での1件だという。CPSは、「訴追手続きに何らかの不利益をもたらす可能性がある情報」の提供を禁じる英国の厳格な規則を理由に、それ以上の情報を提供しなかったという。

スペイシーは英国ですでに5件の同様の罪で訴追されているが、代理人弁護士は「断固として否定している」と無罪を主張している。

スペイシーは、200年の歴史を持つロンドンのオールド・ヴィック劇場で芸術監督を務めていた時期を含む2005年から2013年の間の性的加害疑惑について、5月に5件の訴追されている。

スペイシーの性加害疑惑をめぐっては先月、米ニューヨークのマンハッタン連邦裁判所の陪審員は、1986年に当時14歳の俳優アンソニー・ラップがスペイシーから性的虐待を受けたとして損害賠償を求めた裁判で無罪の評決を下したばかりだった。英国では合計12件の性加害で訴追されており裁判の行方が注目される。

■ケヴィン・スペイシーの性加害疑惑

スペイシーは「ユージュアル・サスぺクツ」(1995年)で助演男優賞、「アメリカン・ビューティー」(1999年)で主演男優賞と2度アカデミー賞を受賞している名優として知られるが、2017年10月、1986年に当時14歳の俳優アンソニー・ラップに性的暴行を加えようとしたと告発された。スペイシーは「深く酔っていて覚えていない」とした上で謝罪し、ゲイであることをカミングアウトしたが「セクハラから目をそらすための巧妙な策」などと業界やLGBTQのコミュニテイーから非難された。
その後さらに十数人の同様の性的暴行疑惑を報じられ、2018年12月には当時18歳の男性への強制わいせつで刑事告発されたが2019年7月に証拠となる携帯電話の記録の不備などで告訴が取り下げられた。
今年5月には英検察当局が、英国で3人の男性に対する5件の性的暴行の罪でスペイシーを訴追したと発表した。
10月20日(現地時間)、俳優のアンソニー・ラップが1986年にスペイシーから性的虐待を受けたとして4000万ドル(約55億7300円)を請求した民事裁判で、ニューヨークのマンハッタン連邦裁判所の陪審員は原告の訴えを棄却し、スペイシーが勝訴した。