マシュー・マコノヒー、ホワイトハウスで「銃規制」を訴え感極まる

(2022年6月8日13:35)

マシュー・マコノヒー、ホワイトハウスで「銃規制」を訴え感極まる
銃規制を訴えるマシュー・マコノヒー(Twitter/@WhiteHouse)

米俳優マシュー・マコノヒー(52)が7日(現地時間)、ホワイトハウスでバイデン大統領と会見し、その後記者会見して、出身地の米テキサス州ユバルディの小学校で起きた銃乱射について語り銃規制を熱烈に訴えた。

米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、マコノヒーはバイデン大統領と面会して銃規制を訴え、その後ホワイトハウスの記者会見場で20分間演説して「責任ある銃所有者は、錯乱した個人によって(銃保有の権利を規定した)憲法修正第二条が悪用されてうんざりしている。規制は市民社会や憲法上の権利を後退させるものではなく、前進させるものだ」などと語った。マコノヒーの出身地の米テキサス州ユバルディでは5月24日(現地時間)、小学校銃乱射事件があり児童ら21人が死亡した。

マコノヒーは、自分は銃反対派ではないと主張し、「ユバルディは私が責任ある銃の所有を学んだ場所だ」としたうえで、新しい銃規制が必要であると述べ「アメリカの価値観を取り戻し、責任ある銃の所有が必要だ」、「AR-15ライフルを購入できる最低年齢を21歳に引き上げ、ライフルの待機期間を設け、法を悪用した人に処罰が必要だ」などと訴えた。

マシュー・マコノヒー、ホワイトハウスで「銃規制」を訴え感極まる
小学校銃乱射事件で死亡したアリシア・ラミレスちゃんの写真を手にするマコノヒー(Twitter/@WhiteHouse)

マコノヒーは、小学校銃乱射事件の犠牲者の遺族の多くと会ったことを明かし、幼い犠牲者の一人、9歳のマイテ・ロドリゲスちゃんは、緑色のコンバースの靴で身元を確認しなければならなかったことを語った。マコノヒーは会見場にいる妻カミラ・アルヴェスにその靴を手に取るように頼み、妻が靴を見せるとその靴には、マイテちゃんが手書きでつま先のゴムの部分に描いたハートが描かれていた。「彼女のこの緑のコンバースが、銃撃事件の後、彼女を特定できる唯一の明確な証拠となったのです」と声を詰まらせながら語った。

また、被害者の一人である10歳のアリシア・ラミレスちゃんが描いた自画像も公開して、少女の両親であるライアンさんとジェシカさんが、彼女がパリの美術学校に行き「いつか自分の芸術を世界に伝える」ことを夢見ていたがかなわなくなったことを話した。

エリー・ガルシアちゃん(10)はバプティスト教会が大好きで、事件の翌日に礼拝で聖書の一節を読む準備をしていたという。「彼女はそれを読むことができませんでした」。

マコノヒーはさらに、「行動しなかった」権力者たちを非難し、銃規制は超党派の問題であるべきだと主張。「再選のために生きているようでは、真のリーダーにはなれないのです。真のリーダーシップを発揮して…アメリカンドリームが幻想ではないと信じるに足る理由を、すべての人に与え始めましょう」と訴え「私たちは、罪のない人々の命を救い、憲法修正第2条の権利を侵害しないような法律を作ることから始めます」と述べた。

バイデン氏はAR-15スタイルの武器を禁止するよう求めているが、半自動小銃の年齢制限の引き上げなど、より狭い制限に支持が集まる可能性があるという。

マコノヒーは「評決のとき」(1996年)、「コンタクト」(1997年)、「アミスタッド」(同)、「リンカーン弁護士」(2011年)、「インターステラ―」(2014年)などで活躍。「ダラス・バイヤーズクラブ」(2013年)でエイズで余命30日と宣告されたロデオ・カーボーイ役でアカデミー賞主演男優種を受賞した。マコノヒーは昨年、テキサス州知事選への出馬をほのめかしたが、その後、中道派としての出馬を断念した。そして今年11月のテキサス州知事選への出馬が取りざたされているという。同州の無所属候補の申請期限は6月23日でマコノヒーの動向が注目されている。