ヴィオラ・デイヴィス、ハリウッドの人種差別に言及 監督が私をメイドの名前で呼んだ

(2022年5月22日10:50)

ヴィオラ・デイヴィス、ハリウッドの人種差別に言及 監督が私をメイドの名前で呼んだ
ヴィオラ・デイヴィス(Insragram/@violadavis)

映画「フェンス」などで知られる米女優ヴィオラ・デイヴィス(56)が、ハリウッドでの地位があっても、人種差別は続いていると指摘した。ある監督から、彼のメイドの名前で呼ばれたことがあったという。

米誌「ヴァラエティ」(電子版)によると、デイヴィスは、カンヌ国際映画祭のトークイベント「ウーマン・イン・モーション」で、監督がかつて自分をメイドの名前で呼んだことを明かし、ハリウッドの黒人俳優に対する認識と、Aリストの地位にありながら肌の色のせいで演じられる役柄が制限されたままであることについて話した。

「10年来の知り合いの監督が、私のことをルイーズと呼んだんだけど、彼のメイドの名前がルイーズだからだとわかったわ」とデイヴィスは語った。「当時は30歳くらいだったから、ちょっと前の話だけどね。でも、そういうマイクロ・アグレッション(小さな攻撃性)は常に起きていることなのです」と訴えた。

デイヴィスは演劇「フェンス」(2010年)でトニー賞演劇主演女優賞を受賞、同作の映画版でアカデミー賞助演女優賞を受賞。さらにドラマ「殺人を無罪にする方法」で2015年に黒人女優として初めてエミー賞主演女優賞を受賞して「演劇の3冠王」を達成したが、同ドラマが必ずしも自分と同じような女性のためのテレビ出演の機会を増やす扉を開いたわけではないことを認めた。

過去に役を断られたことについて、デイヴィスは同誌に「その多くは、人種に基づいています。本当にそうなんです。もし私が同じ顔立ちで、色合いが5トーン明るかったら、ちょっと違うだけでしょう。もし私がブロンドの髪で、青い目をしていて、鼻筋が通っていたら、今とは少し違っていたかもしれません。色彩主義について話すこともできるし、人種について話すこともできる。それは私を怒らせ、私の心を傷つけました」などと語った。

黒人俳優には、ステレオタイプなストーリーに沿った役が多く、白人俳優のようにオスカーに値するような演技を披露できるような素晴らしい題材や役柄が与えられていないと語った。

デイヴィスは、ハリウッドでの活躍の場はまだ限られていると強調したが、夫のジュリアス・テノンと共に設立した制作会社ジュヴィー・プロダクションを通じてハリウッドで語られる物語の幅を広げようとしているという。その例として、9月全米公開予定の製作・主演映画「The Woman King」を挙げている。