ケヴィン・スペイシー、イタリア映画で復帰 スキャンダル後初の映画出演 

(2021年5月24日12:50)

ケヴィン・スペイシー、イタリア映画で復帰 スキャンダル後初の映画出演 
(復帰が決まったケヴィン・スペイシー=インスタグラムから)

俳優らからセクハラや性的暴行を告発されて決まっていた映画を降板するなど事実上ハリウッドから追放されていた俳優ケヴィン・スペイシー(61)が、イタリア映画で復帰することが分かった。

米サイト「TMZ」によると、2017年以来数多くの性的暴行疑惑告発され、「ゲティ家の身代金」(2017年)を降板したほかNetflixから契約を打ち切られるなどしていたスペイシーが、スキャンダル後初めてスクリーンに復帰することが決まった。復帰作はイタリア映画「L'uomo Che Disegno Dio」(神を描いた男)で、「続・荒野の用心棒」(1966年)、「ナバロンの要塞」(1978年)などで知られるイタリアの俳優フランコ・ネロが監督を務めるという。

声を聞くだけで人の似顔絵を描けるという神から与えられた能力を持つ盲目の芸術家が、名声を得てテレビスターになるというストーリーで。スペイシーがどのような役を演じるかは明らかになっていないが、ネロの妻で女優のヴァネッサ・レッドグレイブの相手役になるという。ネロはABCに同作の制作について明らかにして「ケヴィンが私の映画に参加してくれてとても嬉しい。彼は素晴らしい俳優だと思っているし、撮影を始めるのが待ち遠しいよ」と語った。

スペイシーは「ユージュアル・サスぺクツ」(1995年)で助演男優賞、「アメリカン・ビューティー」(1999年)で主演男優賞と2度アカデミー賞を受賞している名優として知られるが、2017年10月、1986年に当時14歳の俳優アンソニー・ラップに性的暴行を加えようとしたと告発された。スペイシーは「深く酔っていて覚えていない」とした上で謝罪し、ゲイであることをカミングアウトしたが「セクハラから目をそらすための巧妙な策」などと業界やLGBTQのコミュニテイーから非難が殺到した。
その後さらに十数人の同様の性的暴行疑惑を報じられ、2018年12月には当時18歳の男性への強制わいせつで刑事告発されたが2019年7月に証拠となる携帯電話の記録の不備などで告訴が取り下げられた。