クリストファー・ノーラン監督、2021年公開映画を同時配信するワーナーを痛烈非難

(2020年12月8日23:30)

クリストファー・ノーラン監督、2021年公開映画を同時配信するワーナーを痛烈非難
(ワーナーを批判したノーラン監督=インスタグラムから)

映画「TENETテネット」などで知られるクリストファー・ノーラン監督(50)が、米大手映画会社ワーナーブラザーズが3日(現地時間)、2021年に公開する映画を傘下の動画配信サービス「HBOMax」で同時に配信することを発表したことを「最悪のストリーミングサービス」と非難した。

米「ハリウッド・リポーター」(電子版)によると、ワーナーが2021年に公開する「マトリックス」シリーズ第4弾や「ゴジラVSキングコング」、「DUNE/デューン 砂の惑星」、「ザ・スーサイド・スクワッド」など17本の映画を「HBOMax」で同時配信するというニュースは、ハリウッドの多くの関係者にとって侮辱のように感じたという。「インソムニア」(2002年)以来ワーナーで映画を製作してきたノーラン監督は「業界最大の映画製作者と最も重要な映画スターの何人かは、彼らが最高の映画スタジオで働いていると思って夜寝て、目が覚めると最悪のストリーミングサービスで働いていることを知った」と痛烈に非難した。

そして「ワーナーブラザーズは劇場でも家庭でも、映画製作者のための素晴らしい機械を持っていました。そして彼らは私たちが話しているようにそれを壊しています。彼らは自分たちが何を失っているのかさえ理解していません。彼らの決定は経済的に意味がなく、最も一般的なウォールストリートの投資家でさえ、混乱と機能不全の違いがわかります」と語ったという。

このアイデアはワーナーブラザーズの発案によるものでCOOのキャロリン・ブラックウッドは、2021年のラインアップがやや弱いと考え、ストリーミングに夢中になっている上層部に忖度してリスクを回避するためにこの計画を決めたという。コロナ感染拡大に対応したものだということだが、ワーナーがこれを一時的なものにすることを考えているとは誰も信じていないという。業界のベテランは、「ワーナーが世界中の複数の形式および複数のプラットフォームで映画を販売することから得られる莫大な利益を犠牲にしている」と語る。発表後に、ワーナーは、2022年に公開が予定されている作品の製作者に電話をかけ、警告なしに映画がストリーミングサービスに配信されないようにすることを話したという。「ゴジラVSキングコング」と「DUNE/デューン 砂の惑星」に投資している会社が訴訟を検討しているともいわれており、計画通りにいくのかワーナー騒動の成り行きが注目される。