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「ウォーキング・デッド」のスタントマン転落死で制作会社に9億4000万円の賠償命令

(2019年12月20日)

米人気TVシリーズ「ウォーキング・デッド」の撮影中に転落死したスタントマン、ジョン・バーネッカーさん(享年33)の遺族が米テレビ局を相手取って損害賠償を請求した裁判で、裁判所は制作会社などに860万ドル(約9億4000万円)を支払うよう命じた。

米芸能サイト「TZ」によると、2017年、「ウォーキング・デッド」の撮影中にバルコニーから転落して死亡したスタントマン、ジョンさんの母親スーザンさんが経費削減のために安全性を考慮していなかったために死亡したなどとして、米テレビ局「AMCネットワーク」に損害賠償を求めていた裁判で19日(現地時間)、裁判所は制作会社「Stalwart Films」などに計860万ドルの支払いを命じた。AMCの責任は認められなかった。賠償金は保険で支払われるという。

ジョンさんは2017年7月12日、ジョージア州アトランタのセットで同ドラマのシーズン8の戦闘シーンの撮影中に誤ってバルコニーから約6.6メートル下のコンクリートの床に頭から転落して頭部を強打。救急車で病院に搬送されて治療を受けたが脳死状態になり2日後に死亡したという。ジョンさんは「ハンガー・ゲーム」シリーズや「LOGAN/ローガン」「ブラックパンサー」など90以上の映画やTVシリーズでスタントマンを務めた。

母親のスーザンさんは、AMCがバルコニーの下にマットなどを敷くなどの安全対策をとらず予行演習も不十分だったなどと主張。昨年、「わずかな罰金ではスタントマンの環境改善にはつながらない」として制裁金の意味も含めて4000万ドル(約44億円)から1億ドル(約109億円)の損害賠償を求めて提訴していた。判決では制裁については認められず、請求額をかなり下まわる金額となったという。