ハリウッド特急便
第91回アカデミー賞で「ROMA/ローマ」は作品賞を受賞するのか?
(2019年2月24日)
世界最大の映画の祭典第91回アカデミー賞授賞式は24日(日本時間25日午前)、ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われるが、最多10部門でノミネートされている「ROMA/ローマ」と「女王陛下のお気に入り」のどちらが多くの賞を獲得するかが注目されている。
主要部門の作品賞、監督賞(ヨルゴス・ランティモス)、主演女優賞(オリヴィア・コールマン)、助演女優賞(エマ・ストーンとレイチェル・ワイズ)にノミネートされている「女王陛下のお気に入り」は20世紀フォックスの作品。
これに対して主要部門の作品賞、監督賞(アルフォンソ・キュアロン)、主演女優賞(ヤリッツァ・アパリシオ)、助演女優賞(マリナ・デ・タヴィラ)にノミネートされている「ROMA/ローマ」は、Netflixの作品で劇場公開ではなくネット配信による公開だ。モノクロでしかもメキシコが舞台で、日本の「万引き家族」とともに外国語作品賞にもノミネートされている。異例ずくめのノミネートなのだ。
作品自体の評価が高いのはいうまでもないが、背景にはNetflixの躍進があるといわれる。
2013年からオリジナル作品の製作に乗り出し、次々に作品を製作しており、2020年の製作費の予算は149億ドル(約1兆6400億円)だという。そして20世紀フォックス、ディズニー、パラマウントなどハリウッドの大手6社が所属するMPAA(アメリカ映画協会)に加入したという。「女王陛下のお気に入り」VS「ROMA/ローマ」の”賞レース“は「老舗20世紀フォックスVS新興Netflix」の戦いとみると一層注目される。
ちなみに米映画サイト「ハリウッド・リポーター」は、作品賞について「『ROMA/ローマ』が史上初めての非英語圏作品でNetflixのウィナー(勝者)となるだろう」と予想している。そして監督賞もハリウッドで活躍するメキシコの映画監督アルフォンソ・キュアロンと予想した。受賞すれば「ゼロ・グラヴィティ」(2013年)以来2度目の受賞になる。
同サイトのほかの主要部門の最有力候補の予想は主演男優賞がラミ・マレック(「ボヘミアン・ラプソディ」)、主演女優賞グレン・クローズ(「天才作家の妻 40年目の真実」)、助演男優賞マハーシャラ・アリ(「グリーン・ブック」)、助演女優賞エイミー・アダムス(「バイス」)だという。また「未来のミライ」がノミネートされている長編アニメ映画賞は「スパイダーマン:スパイダース」と予想している。いずれにしても今年は大混戦といわれており、成り行きが注目されている。
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