俳優の仲代達矢さん死去 92歳 「人間の条件」「影武者」 無名塾で後進育成
(2025年11月11日16:30)

小林正樹監督の映画「人間の条件」シリーズや黒沢明監督の「用心棒」、「影武者」などに主演し日本を代表する俳優として活躍した仲代達矢(なかだい・たつや、本名元久=もとひさ)さんが死去したことが11日、明らかになった。
1932年(昭和7年)12月13日生まれ。東京都目黒区出身。52年、俳優座付属養成所に入所。千田是也に師事し、「ハムレット」「四谷怪談」など多数の舞台に出演。54年、黒澤明監督の「七人の侍」で映画デビュー。五味川准平のベストセラー小説を映画化した小林正樹監督の「人間の条件」シリーズ3部作(59‐61)で、戦争という狂気に翻弄される主人公・梶役を熱演し、その演技が高く評価されるとともにスター俳優となった。また黒澤監督の「用心棒」(61)、「影武者」(80)、「乱」(85)に出演。
「影武者」では、武田信玄とその影武者の2役の勝新太郎さんが撮影開始直後に、撮影現場にビデオを持ち込んだことが発端で黒澤監督と対立して降板、急きょ仲代さんが代役に抜擢される騒動があったが、仲代さんは見事に演じ切り、同作は第33回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルム・ドールを授賞。ブルーリボン賞の作品賞、仲代さんの主演男優賞、隆大介の新人賞を受賞するなど数多くの国内外の映画賞を受賞した。
さらに、小林正樹監督の「切腹」(62)、山本薩夫監督の「華麗なる一族」(74)、舛田利雄監督の「二百三高地」(80)など名匠監督の作品に数多く主演。
また、「ハムレット」(64)、「オセロ」(70)、「リチャード三世」(74‐93 )など多数の舞台や、NHK大河ドラマ「新・平家物語」(72)、「大地の子」(95)、「風林火山」(07)などのドラマに出演した。
75年に俳優を育成する私塾「無名塾」を、妻で女優の宮崎恭子さん(96年、65歳没)と共に設立。役所広司など次代を担う俳優を数多く育て、塾員・塾生と共に無名塾公演で全国を巡演。「どん底」、「リチャード三世」、「ドライビング・ミス・デイジー」などの舞台で、芸術選奨文部大臣賞、毎日芸術賞、紀伊國屋演劇賞、読売演劇大賞ほか数々の賞を受賞。
96年、紫綬褒章、03年、勲四等旭日小綬章、07年、文化功労者、15年、文化勲章受章、19年、第32回東京国際映画祭特別功労賞、24年、名誉都民賞受賞など受章多数。