Mrs. GREEN APPLE 新曲「コロンブス」MV公開停止 コロンブスや類人猿の表現に批判

(2024年6月14日14:15)

Mrs. GREEN APPLE 新曲「コロンブス」MV公開停止 コロンブスや類人猿の表現に批判
Mrs. GREEN APPLE(公式サイトから)

人気バンドMrs. GREEN APPLEの新曲「コロンブス」のミュージックビデオ(MV)に、植民地主義の肯定や先住民への差別が感じられるなどの批判がSNSで相次ぎ、所属レコード会社のユニバーサルミュージックが13日、「歴史や文化的な背景への理解に欠ける表現が含まれていた」として公開を停止した。Mrs. GREEN APPLEの大森元貴(27)も公式サイトでMVの制作の経緯などを説明して謝罪した。

12日に公開されたMVは、大森がコロンブス、若井滉斗(27)がナポレオン、藤澤涼架(31)がビート―ベンに扮して、類人猿と楽しそうに交流し、人力車を引かせたり西洋音楽を教えるシーンなどがある。コロンブスは現在では植民地支配をもたらしたと否定的にとらえられており、差別的表現との指摘が相次いでいたという。

所属レコード会社のユニバーサルミュージックは13日、公式サイトで、「6月12日にMrs. GREEN APPLEの新曲 『コロンブス』のミュージックビデオを公開いたしました。 本映像はMrs. GREEN APPLEの所属レーベルであるEMI Recordsと所属事務所Project-MGA で制作いたしましたが、歴史や文化的な背景への理解に欠ける表現が含まれていたため、公開を停止することといたしました」と公開停止を発表し、「当社における公開前の確認が不十分であり、皆様にご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。」と謝罪した。
 「今後はこのような事態を招くことのないよう細心の注意を払い、皆様にお楽しみいただける作品をお届けしてまいります。」としている。

■大森がコメント「不快な思いをされた方に深くお詫び申し上げます」

大森も公式サイトで、制作意図などに詳しく説明して、謝罪した。以下全文。

「コロンブスのMusic Videoを制作するにあたり、
・年代別の歴史上の人物
・類人猿
・ホームパーティー
・楽しげなMV
という主なキーワードを、初期構想として提案しました。
類人猿が登場することに関しては、差別的な表現に見えてしまう恐れがあるという懸念を当初から感じておりましたが、類人猿を人に見立てたなどの意図は全く無く、ただただ年代の異なる生命がホームパーティーをするというイメージをしておりました。

しかしながら、意図とは異なる伝わり方もするかもしれないと思い、スタッフと確認し合い、事前に特殊メイクのニュアンス、衣装、演じ方のフォロー、監修をしていたつもりではおりましたが、そもそもの大きな題材として不快な思いをされた方に深くお詫び申し上げます。

決して差別的な内容にしたい、悲惨な歴史を肯定するものにしたいという意図はありませんでしたが、上記のキーワードが意図と異なる形で線で繋がった時に何を連想させるのか、あらゆる可能性を指摘して別軸の案まで至らなかった我々の配慮不足が何よりの原因です。

「コロンブスの卵」というキーワードから制作に取り掛かり、前向きにワクワクできる映像にしたいという気持ちが、リスクへの配慮をあやふやにし、影響を及ぼしてしまったと認識しております。

こちらの意図する物語の展開としては、歴史的時間軸は存在せず、類人猿も人の祖先として描きたかった。そして時間の垣根を越えてホームパーティーをする。
これはあり得ない話であり、あくまでフィクションとしての映像作品であると。
ただ、ある事象を、歴史を彷彿とさせてしまうMVであったというご指摘を真摯に受け止め猛省しております。

この度は本当に申し訳ございませんでした。
以後このようなことが無いよう、細心の注意を払い、表現することに対して誠実に、精進してまいりたいと存じます。
Mrs. GREEN APPLE 大森元貴」

同曲は日本コカ・コーラ「Coke STUDIO」のキャンペーンソングとして制作された。同社は「いかなる差別も容認しない」などとして、同曲を使用したCMなどの放映を停止した。

Mrs. GREEN APPLE は、昨年12月30日の日本レコード大賞で、ポップスの枠を超えたスケールの大きい、前向きでおおらかな歌詞の「ケセラセラ」(スペイン語で”なるようになるさ”の意味)(大森元貴作詞・作曲)を大森が圧倒的な歌唱力でパワフルに歌い、圧巻のパフォーマンスを見せ日本レコード大賞を受賞。同年12月31日のNHK「紅白歌合戦」に初出場をはたした。