落語家の笑福亭笑瓶さん死去 66歳 急性大動脈解離 師匠の笑福亭鶴瓶が追悼コメント

(2023年2月23日11:10)

落語家の笑福亭笑瓶さん死去 66歳 急性大動脈解離 師匠の笑福亭鶴瓶が追悼コメント
笑福亭笑瓶さん(太田プロの公式サイトから)

落語家の笑福亭笑瓶(しょうふくてい・しょうへい、本名・渡士洋=とし・ひろし)さんが22日午前、急性大動脈解離のため死去した。66歳だった。師匠の笑福亭鶴瓶(71)らが相次いで追悼コメントを発表した。

笑瓶さんは21日に自宅で倒れ病院に救急搬送された。大動脈解離と診断され、治療を受けたが、22日午前に息を引き取った。家族に看取られて静かに旅立ったという。   
笑瓶さんは約32年間レギュラー出演していたBS-TBSの情報番組「噂の!東京マガジン」(日曜午後1時)の16日の収録に参加していた。その6日後の急逝だった。  

笑瓶さんは2015年12月29日、千葉県内のゴルフ場でプレー中に胸の痛みを訴え、ドクターヘリで県内の病院に搬送され入院した。後に急性大動脈解離だったことを公表していた。2016年1月14日に退院し、1月19日に「大阪ほんわかテレビ」(読売テレビ)の収録で仕事復帰した。

1956年11月7日生まれ。大阪府出身。1980年大阪芸大芸術学部文芸学科卒業後、笑福亭鶴瓶に師事し付人としてタレント修行。修行中に、MBS『突然ガバチョ!』『ヤングタウン土曜日』でレギュラーを得ると、関西での人気はゆるぎないものとなった。その後、 昭和62年、東京に拠点を移し、NTV『鶴ちゃんのぷっつん5』のウィッキーさん役、CX『ものまね王座決定戦』のサリーちゃんのよしこちゃんのものまねで中・高校生の絶大な人気を得る。最近ではTBS「噂の!東京マガジン」、 YTV「大阪ほんわかテレビ」でレギュラーを務めるなど幅広く活躍した。

■笑福亭鶴瓶が追悼コメント

落語家の笑福亭笑瓶さん死去 66歳 急性大動脈解離 師匠の笑福亭鶴瓶が追悼コメント
鶴瓶と笑瓶さん㊨(Instagram/@shofukuteitsurube)

落語家の笑福亭鶴瓶は22日、所属事務所デンナーシステムズの公式サイトに「笑福亭笑瓶の訃報に接し」として、弟子の笑福亭笑瓶さんの追悼コメントを発表した。
「師弟関係を結んだのは僕が29歳で笑瓶が24歳。師弟関係というよりも、信頼のおける親友のようでした。一番僕のそばにいて、全ての事に気のつく男ですごく彼がいて助かりました」とつづった。そして「僕より先に逝くとは思いませんでした。すごくええ顔して旅立って行きました。最期に顔見れてよかったです。お疲れ様でした」と追悼した。

■深沢邦之がインスタで追悼コメント「噂の!東京マガジン」で共演

落語家の笑福亭笑瓶さん死去 66歳 急性大動脈解離 師匠の笑福亭鶴瓶が追悼コメント
笑瓶さん、清水国明(右上)、山口良一(左上)、深沢邦之(左下)(Instagram/@fukasawakuniyuki)

お笑いコンビ「Take2」の深沢邦之(56)が、自身のインスタグラムで「噂の!東京マガジン」で共演した笑福亭笑瓶さんを追悼した。笑瓶さんや清水国明(72)、山口良一(67)の「噂の!」のメンバーと一緒に踊る動画を、「ご冥福をお祈りします 安らかに」という文章をつけて投稿して、「大好きな先輩 笑福亭笑瓶さんが 天に召されました」「『笑瓶さん』と言葉にするだけで 心が崩れる 立ち上がれない」などとつづった。以下全文。
「本日大好きな先輩笑福亭笑瓶さんが天に召されました 突然の訃報言葉を失い理解ができない 『笑瓶さん』と言葉にするだけで心が崩れる立ち上がれない
めちゃくちゃ人の事を思う方でした 常に気遣い言葉を掛けてくれる
笑いには厳しく 馬鹿なこともキチンとやる でも基本的に めちゃくちゃ優しい
どれだけの言葉に救われて来ただろうか いくら感謝しても足りません
笑瓶さんが大切にしていたものこれからも大切にしていきたいもちろん BS-TBS噂の東京マガジンを始め笑瓶さんが愛して来たもの全て ご冥福をお祈りします」

「ちひろさん」有村架純が弁当屋さんで働く元風俗嬢の役で新境地

(2023年2月22日15:40)

「ちひろさん」有村架純が弁当屋さんで働く元風俗嬢の役で新境地
「ちひろさん」(©2023 Asmik Ace, Inc. ©安田弘之(秋田書店)2014)

海辺の小さな町を舞台にお弁当屋さんで働く元風俗嬢のちひろと、周囲の住人たちとの交流や生き様を描いた作品。ヒロインのちひろに有村架純のほか、弁当屋の主人に平田満、その妻でちひろが母親のように慕う多恵に風吹ジュン、風俗店の元店長役にリリー・フランキー。さらに女子高生のオカジ役に豊嶋花、少年マコトに嶋田鉄太、マコトの母親のシングルマザー、ヒトミに佐久間由衣、ニューハーフのバジル役にvan、青年谷口に若葉竜也などの多彩なキャストが脇を固めている。
監督は「愛がなんだ」(2019年)、「アイネクライネナハトムジーク」(同)、「街の上で」(2021年)、「かそけきサンカヨウ」(2021年)、第35回東京国際映画祭で観客賞を受賞した稲垣吾郎主演の「窓辺にて」(2022年)など数多くの話題作を手がける今泉力哉。脚本は澤井香織と今泉力哉。原作はドラマ化されてヒットした「ショムニ」などの漫画家・安田弘之氏の漫画「ちひろさん」(秋田書店「秋田レディース・コミックス・デラックス」刊)。
2023年/日本/132分/製作:Netflix、アスミック・エース/制作プロダクション:アスミック・エース、デジタル・フロンティア/配給:アスミック・エース

「ちひろさん」有村架純が弁当屋さんで働く元風俗嬢の役で新境地
「ちひろさん」(©2023 Asmik Ace, Inc. ©安田弘之(秋田書店)2014)

■ストーリー

風俗嬢の仕事をやめて、海辺の小さな町にある弁当屋で働いているちひろ(有村架純)は、風俗嬢の過去を隠すでもなく、感じるまま思うまま自由な風を漂わせながら生きている。自分を色目で見る若い男やホームレスのおじさん、孤独な小学生や女子高生など、誰に対しても分け隔てなく接するちひろに様々な人が集まってきていた。厳格な家族に息苦しさを感じ、学校の友達にもうまく溶け込めない女子高生のオカジ(豊嶋花)、シングルマザーのヒトミ(佐久間由衣)に育てられながらも愛情に飢えている小学生のマコト(嶋田鉄太)。さらには父親との確執を抱えて過去の父子関係に悩む西南・谷口(若葉竜也)たちとご飯を食べたり言葉をかけたり、優しくまた時には素っ気ない言葉をかけながら背中を押してゆく。そしてちひろ自身も、幼い頃の家族との関係から、孤独を抱えて生きていた。母親の死、勤務していた風俗店の元店長・内海(リリー・フランキー)との再会や、入院している弁当屋の店長の妻・多恵(風吹ジュン)との交流などを通じて少しずつ変わってゆく。

「ちひろさん」有村架純が弁当屋さんで働く元風俗嬢の役で新境地
「ちひろさん」(©2023 Asmik Ace, Inc. ©安田弘之(秋田書店)2014)



■見どころ

優しさと厳しさの両方を併せ持ち、どこか陰がありながらもひょうひょうとして思うままに生きているヒロインのちひろを、有村架純がしなやかにまた繊細に演じて新境地を見せている。そんなちひろと彼女が出会う人たちが繰り広げる人間模様は孤独と癒しの独特の世界が広がる。第58回ブルーリボン賞主演女優賞を受賞した「映画 ビリギャル」(2025 年)、第45回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した「花束みたいな恋をした」(2021年)など着実に実力派女優として進化を遂げている有村のエポックメイキングな作品になった。また、恋愛映画の旗手といわれている今泉監督が、恋愛とは距離を置く登場人物たちの人間模様を繊細に描いている作品としても注目される。
(2月23日(木・祝)Netflix世界配信スタート&全国劇場にて公開)