新井浩文被告、懲役4年の実刑確定 上告せず収監

(2020年12月2日21:20)

新井浩文被告、上告せず懲役4年の実刑確定 すでに収監
新井浩文被告(ツイッターから)

自宅で出張マッサージ店の女性従業員に性的暴行を加えたとして強制性交罪に問われ11月17日の控訴審判決で懲役4年の実刑判決を受けた俳優新井浩文(本名・朴慶培)被告(41)が上告せず2日、実刑が確定して収監されたことが分かった。

新井被告は東京高裁の判決後、東京拘置所に収容されていたが2日までに収監されたという。
控訴審の判決で東京高等裁判所の細田啓介裁判長は、「被害者は被告に性的行為を求められ、動揺した状態に陥り、抵抗するのは著しく難しい状況だった。1審の認定に誤りはない」と指摘して、被告側の主張を退けた。一方で、「1審のあとに被害者に300万円の慰謝料を支払うなどして和解を成立させた。刑を1年減らすべきだ」として1審判決を取り消し、懲役4年を言い渡した。

新井被告は2019年12月2日、東京地裁で懲役5年の実刑判決を受け控訴していた。10月12日の控訴審初公判では弁護人は被害者女性と「民事上の和解が成立した」として、慰謝料の支払いが完了したことを明らかにした。被害女性との和解成立で執行猶予付き判決の可能性も指摘されていたが、1年減刑されたものの再び実刑判決となった。

控訴審初公判で弁護側は、罪の成立を認めた一審判決には事実誤認があるとして、改めて無罪を主張。さらに被害女性の間で和解が成立したことを明らかにした。昨年9月の東京地裁での第1審の公判では、女性側が示談に応じていないことが明らかにされた。検察側は控訴棄却を求め、即日結審していた。

■事件の経過

新井被告は2018年7月1日に自宅で派遣マッサージ店の女性従業員に暴行したとして、2019年2月1日、警視庁に強制性交の容疑で逮捕された。これを受けて所属事務所のアノレは新井との契約を解除した。2月21日、東京地検は強制性交罪で起訴。同27日、新井被告は保釈金500万円を納付して保釈された。

2019年12月2日、第一審の判決公判で東京地裁の滝岡俊文裁判長は「犯行は卑劣で悪質というしかなく実刑は免れない」として求刑通りの懲役5年の判決を言い渡した。「被告の自宅で施術中という被害者が抵抗しにくい状況につけいり、性的な暴行に及んでいて、犯行は卑劣で悪質というしかない。同じ種類の事件の中でも重い部類に位置づけられ、実刑は免れない」と断罪した。新井被告が行為後に「お詫び」として現金を渡そうとしたことからも、女性と合意があったとは到底考え難いと指摘した。

弁護側は最終弁論で「性交したのは事実だが被告は合意があったと誤解しており、強制性交等罪は成立しない」と無罪を主張。新井被告は「強く抵抗されず同意があったと思った」などと主張していた。判決後、新井被告は判決を不服として控訴。保釈金750万円で再保釈された。

■新井浩文(あらい・ひろふみ)

1979年1月18日生まれ。青森県弘前市出身。2001年、映画「GO]でデビュー。映画「血と骨」(2004年)、「アウトレイジ ビヨンド」(2012年)、「さよなら渓谷」(2013年)などの映画や「下町ロケット」(TBS系)、NHK大河ドラマ「真田丸」などのドラマに出演。「百円の恋」(2014年)で第39回日本アカデミー賞優秀男優賞を受賞するなど個性派俳優として定評があった。