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第43回日本アカデミー賞 「新聞記者」が主要3部門独占 最優秀作品賞 松坂桃李最優秀主演男優賞 シム・ウンギョン最優秀主演女優賞

(2020年3月6日)

第43回日本アカデミー賞 「新聞記者」が主要3部門独占
松坂桃李㊧とシム・ウンギョン㊨(日本テレビ系「第43回日本アカデミー賞授賞式」から)

第43回日本アカデミー賞授賞式が6日、都内のホテルで開催され「新聞記者」が最優秀作品賞、松坂桃李の主演男優賞、シム・ウンギョンの最優秀主演女優賞と主要3部門を独占した。授賞式の模様は日本テレビ系「第43回日本アカデミー賞授賞式」(午後9時)で放送された。

映画「新聞記者」は東京新聞社会部の望月衣塑子記者の著書「新聞記者」(角川新書)を原案に、韓国の演技派女優シム・ウンギョンと日本の若手俳優・松坂桃李のW主演で映画化した社会派サスペンス。監督は「オー!ファーザー」(2014年)、「デイアンドナイト」(2019年)などの藤井道人。

望月氏の著書「新聞記者」は安倍政権の闇に迫ったノンフィクションだが、映画はその原案をベースにしたフィクションになっている。
ウンギョンは医療系大学新設計画に関する疑惑を追及する東都新聞の社会部記者・吉岡エリカを熱演。松坂は、内閣調査室に勤務する杉原拓海役で上司に命じられるまま、政権に不都合なニュースにはSNSに虚偽の情報を流すなどして情報操作をする任務に疑問を感じ始めていた。そうしたなか、元上司の神崎(高橋和也)が謎の投身自殺を遂げ、やり場のない怒りを抱える。そして吉岡記者と杉原の思いが交錯して、疑惑を解明する極秘文書の報道と政権の闇に迫って行くというストーリー。硬派な映画が日本アカデミー賞の主要3部門を独占したことや、韓国のトップ女優が主演女優賞を受賞したことは、多様性を反映したものとして注目される。

■松坂桃李は「ウンギョンさんと一緒にお芝居することが出来て、最後まで駆け抜けることが出来ました」

松坂は受賞のスピーチで「この作品は僕の知る限りでは実現するまでに二転三転四転五転ぐらい、おそらくいろんなことがあって、それでもこの作品をしっかりと、映画を観てくださる方に届けたいという人たちが集まって、撮影を撮りきることが出来ました」と語った。そして「僕自身も、ものすごくハードルの高い役だなと思ったんですけど、ウンギョンさんと一緒にお芝居することが出来て、最後まで駆け抜けることが出来ました。今日という日を糧にまた作品にの一部にちゃんと自分がなれるように努めていけたらいいなと思っております」と語り会場から大きな拍手が起きた。

■シム・ウンギョンが主演女優賞に涙

ウンギョンは主演女優賞の発表で名前を呼ばれると驚き、ステージに上がって涙をこらえきれず言葉に詰まる一幕も。「松坂桃李さんと共演できて本当に光栄でした。ありがとうございました。これからも頑張って活動していきます」と流ちょうな日本語で受賞の喜びを語った。
ウンギョンは子役から活躍し、「春のワルツ」「ファン・ジニ」などのドラマや「王になった男」(2012年)など多数の映画に出演。主演した「怪しい彼女」(2014年)が大ヒットして第50回百想芸術大賞主演女優賞をはじめ多数の賞を受賞した韓国のトップ女優。同作は日本を含めて世界8か国でリメイクされた。2017年に日本の芸能事務所とマネジメント契約を結び日本の舞台に出演した。「新聞記者」では毎日映画コンクールの女優主演賞も受賞した。

【主要部門の最優秀賞(カッコ内は優秀賞)】
●最優秀作品賞 「新聞記者」
(「キングダム」「新聞記者」「翔んで埼玉」「閉鎖病棟-それぞれの朝-」「蜜蜂と遠雷」)
●最優秀監督賞 武内英樹「翔んで埼玉」
(佐藤信介「キングダム」 周防正行「カツベン!」 武内英樹「翔んで埼玉」 平山秀幸「閉鎖病棟-それぞれの朝-」 藤井道人「新聞記者」)
●最優秀主演男優賞 松坂桃李「新聞記者」
(笑福亭鶴瓶「閉鎖病棟-それぞれの朝-」 菅田将暉「アルキメデスの大戦 」 中井貴一「記憶にございません!」 松坂桃李「新聞記者」 GACKT「翔んで埼玉」)
●最優秀主演女優賞 シム・ウンギョン「新聞記者」
(シム・ウンギョン「新聞記者」 二階堂ふみ「翔んで埼玉」 松岡茉優「蜜蜂と遠雷」 宮沢りえ「人間失格 太宰治と3人の女たち」 吉永小百合「最高の人生の見つけ方」
●最優秀助演男優賞 吉沢亮「キングダム」)
(綾野剛「閉鎖病棟-それぞれの朝-」 伊勢谷友介「翔んで埼玉」 柄本佑「アルキメデスの大戦」 岡村隆史「決算!忠臣蔵」 佐々木蔵之介「空母いぶき」吉沢亮「キングダム」)
●最優秀助演女優賞 長澤まさみ「キングダム」
(天海祐希「最高の人生の見つけ方」 小松菜奈「閉鎖病棟-それぞれの朝-」 高畑充希「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」 長澤まさみ「キングダム」 二階堂ふみ「人間失格 太宰治と3人の女たち」)
●最優秀外国作品賞 「ジョーカー」
(「イエスタデイ」「グリーンブック」「ジョーカー」「運び屋」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」)
●新人俳優賞(最優秀賞はなし)
岸井ゆきの「愛がなんだ」 黒島結菜「カツベン!」 吉岡里帆「見えない目撃者」「パラレルワールド・ラブストーリー」 鈴鹿央士「蜜蜂と遠雷」 森崎ウィン「蜜蜂と遠雷」 横浜流星「愛唄 -約束のナクヒト-」「いなくなれ、群青」「チア男子!!」
●優秀アニメーション作品賞 「天気の子」
(「空の青さを知る人よ」「天気の子」「名探偵コナン 紺青の拳(こんじょうのフィスト)」「ルパン三世 THE FIRST」「劇場版『ONE PIECE STAMPEDE』」)
(選考対象:2018年12月16日~2019年12月15日に公開され選考基準を満たした作品)