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チュートリアル徳井が活動自粛 ずさん過ぎる「無申告」の歴史発覚

(2019年10月26日)

徳井義実が1億円超の申告漏れで謝罪会見 「ルーズだった」発言が波紋も刑事告訴はなし
記者会見で釈明する徳井(フジテレビ「直撃ライブグッディ」から)

お笑いコンビ・チュートリアルの徳井義実(44)が約1億3800万円を超える申告漏れと2000万円の所得隠し東京国税局から指摘された問題で26日、吉本興業が当面の間活動を自粛することを発表した。それと合わせて吉本はこれまでの徳井の税務処理の詳細を発表したが、なんともずさんな税務処理が明らかになった。

吉本興業は26日、公式ホームページで「徳井義実は、先日10月23日(水)に実施した会見において、国民の義務である納税義務を軽視し、手続きを怠ってしまったことを謝罪させていただきました。徳井義実は、こうした自身の行動を深く反省した結果、本日をもって、当面の間、活動を自粛することといたしました。」と報告し、徳井のコメントを発表した。

■徳井義実のコメント全文

「この度は、私の税金に関する問題において、世間の皆様、関係者の皆様に大変なご迷惑をかけ、不信感を与えてしまい、誠に申し訳ございませんでした。
私自身深く反省し、当面の間、芸能活動を自粛させていただくことになりました。
これからは、あらためて納税に対する意識、仕事のこと、自分自身のこと、しっかりと見つめ直していきたいと思っております。
本当に申し訳ございませんでした。 チュートリアル 徳井義実」

■記者会見後に過去にも無申告だったことなどの実態が発覚

徳井は自身が設立した会社「チューリップ」を通じて吉本から支払われる出演料などを受け取っていたが、2015年3月期までの4年間で約2000万円の所得隠しを、さらに2018年までの3年間で約1億3800万円の申告漏れを東京国税局に指摘され、約3700万円の追徴課税を納付したと報じられ、23日夜記者会見して「想像を絶するだらしなさ、ルーズさ、怠慢がすべて」などと釈明。「ルーズだったでは済まされない」との声が広がり、テレビ各局は対応に追われた。

その後、数年前にも2015年までの所得について無申告を東京国税局に指摘されて納税していたことが発覚するなど悪質な実態が明らかになり、TBSは徳井がMCを務める「人生最高のレストラン」(土曜午後11時30分)の26日の放送を中止にすることを決めた。来週以降は「未定」だという。また大手寝具会社が徳井をHPに掲載することを取りやめ、静岡産業大学は11月16日の学園祭に徳井がボーカルを務めるバンドの出演を予定していたが取りやめを発表するなど波紋が広がっていた。

■徳井のずさん過ぎる「税務処理」の歴史

吉本が同日発表した「チュートリアル徳井義実の税務申告漏れの関するご報告」によると、徳井は2009年に個人会社として株式会社チューリップを設立。役員は徳井1人だけで、タレント活動の収入はすべてチューリップに入れて、徳井はチューリップから役員報酬を受け取っていいたという。
2010年3月期から2012年3月期分について、申告期限に申告をしてなくて税務署から指摘を受けて3年分を合わせて2012年6月25日に申告したという。
また、2013年3月期から2015年3月期分についても各年の申告期限に申告してなく、「同様に税務署からの指摘を受け、3年分をあわせて015年7月23日に申告しておりました。」(同報告)という。

さらに、2013年3月期からの3年分については「再三にわたる税務署からの督促にもかかわらず、手続き怠慢により納付をしておらず、その結果2016年5月ごろ銀行預金を差し押さえられるに至りました。以上の経緯については会見では触れられておりませんでした」(同報告)という。

「このような度重なる申告漏れ及び未納があったこともあり、チューリップ社は2018年9月頃に国税局の税務調査を受け、2016年3月期乃至2018年3月期の3年分については無申告であるため申告するよう指摘を受けました。」(同) 「また同時に、2012年3月期乃至2015年3月期の税務申告において経費として計上していた旅費、衣服代等の一部が否認されるに至ました。」(同)

その結果、2018年11月から12月にかけて、国税局の指導に従って、2016年3月期から2018年3月期の3年分については確定申告の提出を行い、2012年3月から2015年3月期の4年分については修正申告して法人税の追徴課税として約3700万円を納付したという。この中には否認された経費約2000万円に対する重加算税約180万円と申告漏れ約1億1800万円に対する無申告加算税約510万円が含まれるという。2019年3月期については期間内に申告しているという。

■徳井個人の所得税も無申告だった

2012年から2014年の3年分は無申告で申告するよう指導されて2015年7月23日に3年分の申告をしたという。2015年から2017年の3年分も無申告で、税務署の指導に従って2018年11月頃に申告。2018年分は期限内に申告したという。

チューリップ社と徳井個人の社会保険料の納付状況については「2009年の法人設立時に社会保険の加入手続きをしていない状況が続いておりました。速やかに加入手続きを致します」(同)としている。

■「タレント全員の納税意識の啓蒙を続ける」と吉本

徳井の「無申告常習」発覚を受けて吉本は同報告書で「当社はこれまでコンプライアンス研修を実施してまいりましたが、今後は税務に関する正しい知識・情報についても研修内容とした上で、徳井のみならず所属タレント全員に対する納税意識の啓蒙を続け、また各種手続きについてもサポートしてまいる所存です」としている。