米テキサス州で“マスク拒否おばさん”が6日間で2回逮捕 

(2021年3月24日13:00)

米テキサス州で“マスク拒否おばさん”が6日間で2回逮捕 
(警官に抗議するライト容疑者=警官のボディカムの映像)

米テキサス州でマスクの着用を拒否した女性が6日間で2度逮捕された。警官のボディカムには逮捕時に生々しい様子が映っていた。“マスク拒否おばさん”の言い分とは?

米サイト「TooFab」によると、テリー・リン・ライト容疑者(65)が17日(現地時間)、テキサス州テキサスシティのホームセンター内でマスクを着用していなかったために通報され警官に不法侵入の現行犯で逮捕された。ライトは11日(同)にも銀行でマスク着用を拒否したため逮捕されたという。ライトが逮捕されたときの警官のボディカムの映像が公開された。

「奥さん、もし出て行かないのであれば、不法侵入で刑務所に行くことになりますよ」と警官がライトに警告。ライト容疑者は「これ(マスク拒否)は私の連邦の権利よ」と答えて警官に従わなかったため、警官は「あなたは法律に違反しています」と告げ、ライト容疑者は手錠をかけられてパトカーに連れて行かれたが、そこで別の警官が彼女を見て「あなたは先日(同州)ガルベストンで問題を起こした女性ですね」と言うと、ライトは「ちがうわよ、私は先日自分の権利を追求した婦人よ!」と言い返したという。彼女は6日前の11日(現地時間)にもガルベストンの銀行でマスク着用を拒否したため逮捕されていた。警官は「ガルベストンで懲りなかったのか」とつぶやいたという。筋金入りの“マスク拒否おばさん”のようだ。

銀行での逮捕の様子も警官のボディカムに映っていた。ライト容疑者は「私のお金はこの銀行にあるので、それを引き出すつもりです」と答えると、警官は 「じゃあ、規則を守ってマスクをしてください」と告げた。すると、「銀行がマスクを義務づけているのは私が全財産を引き出したいからだ」とライト容疑者。警官は「全財産を持ち出すにはやはりマスクを着用しなければなりません」と説明。彼女が反論し続けたため逮捕されたという。

テキサス州のグレッグ・アボット知事は3月2日(現地時間)、10日にもマスク着用義務を解除し、商業活動を全面的に再開すると発表した。このためテキサス州では、住民が公共の場でマスクを着用する必要がなくなったという。また、新型コロナウイルスの感染による入院患者数が7日連続で定員の15%を超えない限り、企業はフル稼働することが認められている。ただし、この知事命令は、企業が従業員や顧客にマスクの着用を義務付けることを止めるものではないという。

1月に発足した民主党のジョー・バイデン大統領は、新型ウイルスを抑え込むには制限措置が必要でその一つとしてマスク着用を呼び掛けている。全米の約35の州が公共の場でのマスク着用を求めているが、マスク着用義務の実施にはばらつきがあるという。そうしたなか、欧米ではロックダウンやマスク着用義務化に抗議して公共の場でマスクをしない”反マスク“運動なども起きている。またトランプ前大統領が「コロナを恐れるな」などとコロナを軽視する発言してトランプ氏の集会で支持者はマスクなしで密集していたことなどが問題になったこともあった。