周庭氏が香港の警察署から保釈される 報道陣に「ばかげている」と当局を批判

(2020年8月12日02:30)

周庭氏保釈
(報道陣の前で話す周氏=ユーチューブから)

国家安全維持法違反容疑で10日夜香港警察に逮捕された香港の民主活動家、周庭(アグネス・チョウ)氏(23)が11日深夜、香港北東部の大埔警察署から保釈された。周氏は保釈後警察署の前に集まった報道陣に「政治的な目的の逮捕でばかげている」などと逮捕を批判した。警察署前では民主派活動家のリーダー、黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏(23)らが出迎えたという。同容疑で逮捕された香港紙「リンゴ日報」創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏(71)も同日保釈された。

周氏の逮捕に香港だけでなく日本などで「#FreeAgnes」(アグネスに自由を)のハシュタグを付けて解放を求める声が上がる中、周氏のフェイスブックでは「日本の皆さん、注目の声をありがとうございます」と感謝のコメントを投稿した。大埔警察署でビデオでの尋問を受けて疲れているが、精神状態は良好だという。その後、弁護士のチームが保釈の手続きを行い「もうすぐ保釈されます」と報告した。

周庭氏のフェイスブックによると、「周氏は今年7月から、SNSを通じて外国に対して中華人民共和国への制裁や、敵対行為を呼びかける疑いが持たれている」という。
今年6月に施行された国安法について「中国共産党政権がさらに人の自由を抑えるため乱暴で設立した非道な法律である」と指摘。同日、中国共産党に批判的な香港紙「リンゴ日報」の創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏(71)や同誌の幹部ら計9人も国安法違反容疑で逮捕されたことについて「国安法が香港の言論の自由や取材の自由への厳重な影響は一目瞭然である」と厳しく非難した。

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