金正恩委員長「死亡ならコロナ感染の可能性」米紙報道 「死亡」説「植物状態」説入り乱れる

(2020年4月26日)

金正恩委員長「死亡ならコロナ感染の可能性」米紙報道 「死亡」説「植物状態」説入り乱れる
(金正恩委員長の情報を報じる米紙ニューヨーク・ポスト電子版)

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(36)に「死亡」説、「植物状態」説、「生存」説が入り乱れている。そうしたなか米紙は「もし死亡ならコロナ感染の可能性」との専門家の指摘を報じた。

発端は米CNNが4月20日、「金正恩委員長が手術を受けて重篤という情報があり、米政府が状況を注視している」と報じたことだった。トランプ大統領は「フェイクニュース」と否定したが、その後も金委員長が公の場に姿を現さないため諸説飛び交っている。

■香港TV局「死亡報道」日本の雑誌「植物状態」

そうしたなか米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)は25日(現地時間)、香港のTV局は同日、確かな情報筋の話として金委員長が死亡したと報じたと伝えた。また、日本の雑誌(講談社のウエブマガジン「現代ビジネス」)は24日、金委員長は 「植物状態 」にあると報じたと伝えた。中国の医療関係者の話として、金正恩委員長は、地方視察中に倒れ、心臓ステント手術を受けたが、手術がうまくいかず植物状態になったとの有力情報があるという。

■「金氏が死んだとしたらコロナウイルスが一因である可能性」北朝鮮専門家が指摘

金委員長は4月15日、これまで毎年出席していた故金日成主席の生誕日の式典に姿を見せなかった。さらに25日に行われた人民革命軍の創建88周年記念式典を欠席したことで、死亡説、重病説が広がっていた。

米国の民主主義防衛財団の北朝鮮専門家デイビッド・マックスウェル氏は「もし金氏が死んだとした場合、コロナウイルスが一因である可能性がある。北朝鮮は新型コロナウイルスの感染者はゼロと主張しているが、嘘をついている可能性がある」と指摘した。

■金正恩委員長の後継者は妹の金与正氏

金委員長の後継者としては、妹の金与正氏(31)が有力視されている。母親は金正日総書記の愛人の1人である高英姫で、金委員長とその兄である次男・金正哲氏(38)と同母の兄妹。2017年2月13日にマレーシア空港で暗殺された長男・金正男氏(45歳没)は金正日総書記と映画女優・成蕙琳との間の子供で金委員長らとは異母兄弟。

次男・金正哲氏はエリック・クラプトンのファンとして知られ、かつて父親の金正日総書記から「女の子のようだ」といわれて、後継者になることを否定されたことがあるという。