「スワロウテイル 4Kリマスター」先行上映イベント 岩井俊二監督&小林武史(音楽)スペシャルトークショー

(2026年8月22日10:30)

「スワロウテイル 4Kリマスター」先行上映イベント 岩井俊二監督&小林武史(音楽)スペシャルトークショー 
岩井俊二監督㊧と小林武史

  「スワロウテイル4Kリマスター」(9月14日公開)の先行上映会イベントが21日、都内で行われ、映画公開30周年を記念し、脚本・監督を務めた岩井俊二監督と、本作の音楽を手掛け、劇中から誕生した伝説のロックバンド「YEN TOWNBAND」をプロデュースした小林武史が再集結し、30年の時を経てトークショーが実現した。以下、オフィシャルレポートを公開。

『Love Letter』『リリイ・シュシュのすべて』『花とアリス』『リップヴァンウィンクルの花嫁』『キリエのうた』など数々の傑作を世に送り続ける映画監督、岩井俊二。今から30年前の1996年9月14日に公開されるや否やその独創的な世界観に熱狂する者たちが続出し、今もなお強い支持を集める伝説的傑作『スワロウテイル』が、監督完全監修のもと4Kリマスター化・Dolby Atmos化され、『スワロウテイル4Kリマスター』として劇場公開が決定した。

「YEN TOWN BAND」は、Charaをボーカルに迎え、映画の世界観から誕生した異例のバンドとして1996年にデビュー。主題歌『Swallowtail Butterfly〜あいのうた〜』やアルバム『MONTAGE』は大ヒットを記録し、劇中の枠を超えて映画と音楽が融合した社会現象ともいえる一大ムーブメントを巻き起こした。今なお多くのファンに愛され続ける、日本映画史・音楽史に残る伝説的プロジェクト。

トークイベントでは本作の岩井監督と音楽を手掛けた小林が登壇。当時を振り返るなど、ファンにとってかけがえの無い上映前イベントとなった。

「スワロウテイル 4Kリマスター」先行上映イベント 岩井俊二監督&小林武史(音楽)スペシャルトークショー 
岩井俊二監督

岩井監督は「『スワロウテイル4Kリマスター』ということで、30年ぶりにスクリーンに蘇ります。30年前にこの作品をロサンゼルスで仕上げていたんです。ちょっとそういうことやってみたい!っていう若気の至りでやっていたんですが、最初のこういった試写会が当時もあって。皆さんにお披露目という時に間に合わなくてですね(笑)。どうしようか?と向こうでみんなと相談したんです。ひとまず、できかけのフィルムがあるんで、それを監督運んでくださいとなりまして、私物としてフィルムを運び入れて。そんな私物で運ぶようなものじゃないんですけど、僕の映画です!って言いながら税関通って、まだ出来上がってないところのフィルムを切って繋いで一応見れる状態にして上映したことを思い出します」とギリギリまで編集に追われていた当時を思い出し笑みが溢れた。
切った箇所はというと「アゲハ蝶のCGが間に合っていなくて、空っぽなんです。だから飛んでいるテイの画だけで蝶がいない状態でした。さすがにこれを見せるわけにもいかないと思っていました」今だから打ち明けられる舞台裏をさらっと明かした。
小林は「僕も音楽を作っていたのでポストプロダクションをロサンゼルスでしました。当時はそういうコンピューターがまだ今のようなレベルでは全然なくて。ロスでやるかなっていうんで行きましたね」と話した。

30年前の作品である「スワロウテイル」。当日来場の中には今日初鑑賞の方もいることに触れ「いいですね、初めてこの映画を体験できるというのは。今の音響などの環境に合わせて仕上げてさらにパワーアップしてると思うのですごい楽しめると思います」と太鼓判を押す小林。
監督は「もっとこうパラパラかと思ったら、意外と初めての多くて、嬉しいです。初めての皆さんにとっては今日が完成披露試写ということになるので、なんか急に身が引き締まる思いです(笑)。『Love Letter』4Kは割とトラブルなく進められたんですが、この作品は本当にいろんな無茶をやっていて。16 mmが混ざってたり、いろんな現像を変えたりとかいろんなアプローチをしていて。改めて向き合って色の調整などが本当に大変で、苦労しました。半月ぐらいやってたんじゃないですかね?そんなはずじゃなかったと思いながら、半月ぐらいずっとパソコンに向き合ってダヴィンチっていうソフトをいじくり回していました。4Kって新しい概念なので、当時はフィルムとテレビはまだハイビジョンでもない時代だったかと思います。多少やっぱりそこも意識しながらやっていかなきゃいけないところがありました。引きこもごもを1カット1カット見ながら当時のこと思い出しました。素敵な時間を過ごさせてもらいました」編集時の思いを語った。

音楽がとても印象的な本作。制作においての狙いを聞く。小林は「岩井君と話して、あとはもう割と僕が突っ走った、みたいな感じなんです。その前から岩井君から「YEN TOWN」という構想を聞いてました。初期衝動をそのまま録音していかないと何ともならないような、だけどそこに圧縮されたパワーがあるみたいなものだったんだと思います」と話す。
監督に小林さんに音楽を任せた理由を聞くと「この作品は自分の中で本当にこういうサウンドを追い求めていたんです。日本で誰に頼んだらいいんだろう?って考えても全く頭に浮かんでこない時に、たまたま車を運転していたらMy Little Loverが流れてきて、このサウンド感まさになんだけど!と思って小林さんに連絡しました」運命めいたものを感じさせるエピソードが明かされた。

公開と同時にシングルアルバムがオリコンで1位となる、まさに社会現象となった『スワロウテイル』。「地続きで繋がっていくみたいな感覚っていうのは本当にあると思うんです。今世の中がどちらかといえば、移民など話題になりますが、僕らの中にある恐怖みたいなものが煽られて、規制とか縛られていくっていう感じがあると思う。30年前に多分そういうことをすでに僕らはもう感じていて。その思いが出ているから、多分今の時代でもだんだんそこが解決されているものでもないと思うし。みんながそれをどう感じて取って、次につなげていくのか?が大切だと思うので、この時代に見るみなさんがどう感じてくれるのかがすごい楽しみです」と期待感を込めた小林。
監督は「30年前の完成披露試写の時にマイクを向けられて『もう精一杯やりました。もうこれ以上できません!』って言いました。改めてその言葉を今日残していこうかと思います。楽しんでいただければと思います」当時を懐かしみつつイベントを後にした。

岩井俊二監督完全監修「スワロウテイル 4Kリマスター」30年のときを経て甦る
「スワロウテイル 4Kリマスター」ポスタービジュアル
「スワロウテイル 4Kリマスター」先行上映イベント 岩井俊二監督&小林武史(音楽)スペシャルトークショー
「スワロウテイル 4Kリマスター」場面写真
「スワロウテイル 4Kリマスター」先行上映イベント 岩井俊二監督&小林武史(音楽)スペシャルトークショー
「スワロウテイル 4Kリマスター」先行上映イベント 岩井俊二監督&小林武史(音楽)スペシャルトークショー
「スワロウテイル 4Kリマスター」先行上映イベント 岩井俊二監督&小林武史(音楽)スペシャルトークショー
「スワロウテイル 4Kリマスター」先行上映イベント 岩井俊二監督&小林武史(音楽)スペシャルトークショー
「スワロウテイル 4Kリマスター」先行上映イベント 岩井俊二監督&小林武史(音楽)スペシャルトークショー
「スワロウテイル 4Kリマスター」先行上映イベント 岩井俊二監督&小林武史(音楽)スペシャルトークショー
「スワロウテイル 4Kリマスター」先行上映イベント 岩井俊二監督&小林武史(音楽)スペシャルトークショー
「スワロウテイル 4Kリマスター」先行上映イベント 岩井俊二監督&小林武史(音楽)スペシャルトークショー
「スワロウテイル 4Kリマスター」先行上映イベント 岩井俊二監督&小林武史(音楽)スペシャルトークショー
「スワロウテイル 4Kリマスター」先行上映イベント 岩井俊二監督&小林武史(音楽)スペシャルトークショー

【STORY】
むかしむかし、“円”が世界で一番強かった頃、いつかのゴールドラッシュのようなその街を、 移民たちは“円都(イェンタウン)”と呼んだ。でも日本人はこの名前を忌み嫌い、逆に移民たちを “円盗(イェンタウン)”と呼んで蔑んだ。 ここは円の都、イェンタウン。円で夢が叶う、夢の都。…そしてこれは、円を掘りにイェンタウンにやって来た、イェンタウンたちの物語。 娼婦の母が死に、たらい回しにされた少女(伊藤歩)は、 歌手を夢見る上海から来た“イェンタウン”の娼婦グリコ(Chara)に拾われる。 胸にアゲハ蝶のタトゥーを彫っているグリコは、名の無い少女に <アゲハ>と名づけた。やがてアゲハは、グリコに魅かれている上海出身のフェイホン(三上博史)、 謎の男ラン(渡部篤郎)たちが集う なんでも屋「青空」で働きはじめる。 そんなある夜、アゲハはグリコの客である葛飾組の須藤(塩見三省)におそわれるが、 間一髪のところ隣人の元ボクサーに救われる。 そのままマンションから落下し死亡した須藤の腹からは、名曲「マイウェイ」が収録された カセットテープが。このテープの中身は、一万円札の磁気データなのだった。

【CAST/STAFF】
ヒオ・フェイホン:三上博史 グリコ:Chara アゲハ:伊藤 歩 リョウ・リャンキ:江口洋介 マオフウ:アンディ・ホイ ラン:渡部篤郎 シェンメイ:山口智子 レイコ:大塚寧々 鈴木野:桃井かおり
プロデュ―ス:河井真也
脚本・監督:岩井俊二
音楽:小林武史 “Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜”YEN TOWN BAND(プロデュース:小林武史 ボーカル: Chara)
原作:『スワロウテイル』岩井俊二著(角川文庫/KADOKAWA 刊)
撮影:篠田 昇 照明:中村裕樹 美術:種田陽平 CG ディレクター:原田大三郎
製作委員会: 株式会社 OORONG-SHA/株式会社ポニーキャニオン/ 株式会社フジテレビジョン/株式会社 KADOKAWA/ アスミック・エース株式会社/メモリーテック株式会社 製作プロダクション:ロックウェルアイズ
配給:ポニーキャニオン
日本初公開日:1996 年 9 月 14 日/148 分/日本/カラー
©SWALLOWTAIL PRODUCTION COMM
2026年9月4日(金)より TOHO シネマズ日比谷他 全国公開