映画「シラート」 砂漠で異次元の大音量レイブと奇想天外なストーリー

(2026年6月3日15:45)

映画「シラート」砂漠で異次元の大音量レイブと奇想天外なストーリー
 
「シラート」ポスタービジュアル

本年度米アカデミー賞にて音響賞、 国際長編映画賞の2部門でノミネートされ、カンヌ国際映画祭で4冠を獲得した映画「シラート」が5日から公開される。砂漠のレイブでの異次元の大音量ダンスミュージックと、奇想天外なストーリーの異色作。

砂漠で開催されたレイブに参加した後に失踪した娘を探して、砂漠のレイブに参加した父親と息子の少年が、レイブを主催するグループと出会い、彼らに同行して決死の砂漠の旅をする奇想天外なストーリーが繰り広げられる。

監督・脚本はスペイン出身のオリベル・ラシェ。「Mimosas」(原題)(16)で第69回カンヌ国際映画祭批評家週間の国際批評家連盟賞を受賞。「ファイアー・ウィル・カム」(原題:O que ard)(19)が第72回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門の審査委員賞を受賞した。本作は長編4作目になり、カンヌのコンペティション部門に出品された初の作品。サハラ砂漠で撮影された。

カンヌ国際映画祭の監督賞やアカデミー賞外国映画賞(現・国際長編映画賞)を受賞した「オール・アバウト・マイ・マザー」(99)や、ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した「ザ・ルーム・ネクスト・ドア」(24)などで知られるスペインの巨匠ペドロ・アルモドバルがプロヂューサーとして名を連ねている。

娘を探す父親のルイスに、スペイン、フランスを中心に活躍するセルジ・ロベス。「ハリー、見知らぬ友人」(00)でフランスのセザール賞主演男優賞を受賞 、2006年にギレルモ・デル・トロ監督「パンズ・ラビリンス」セ主人公の継父となる独裁政権下の陸軍大尉を演じて国際的な知名度を得た。息子の少年エステバンに、20023年にテレビシリーズ「La Mesias(原題)」で俳優デビューし、本作が長編映画初出演となるブルーノ・ヌニェスなどのキャスト。

映画「シラート」砂漠で異次元の大音量レイブと奇想天外なストーリー
 
「シラート」場面写真
映画「シラート」砂漠で異次元の大音量レイブと奇想天外なストーリー
 
失踪した娘を探すルイス㊧とエステバン
映画「シラート」砂漠で異次元の大音量レイブと奇想天外なストーリー
 
道中でレイブのグループと仲良くなるエステバン
映画「シラート」砂漠で異次元の大音量レイブと奇想天外なストーリー
 
映画「シラート」砂漠で異次元の大音量レイブと奇想天外なストーリー
 
映画「シラート」砂漠で異次元の大音量レイブと奇想天外なストーリー
 
映画「シラート」砂漠で異次元の大音量レイブと奇想天外なストーリー
 
映画「シラート」砂漠で異次元の大音量レイブと奇想天外なストーリー
 
映画「シラート」砂漠で異次元の大音量レイブと奇想天外なストーリー
 
映画「シラート」砂漠で異次元の大音量レイブと奇想天外なストーリー
 
映画「シラート」砂漠で異次元の大音量レイブと奇想天外なストーリー
 
砂漠のレイブで踊る人たち
映画「シラート」砂漠で異次元の大音量レイブと奇想天外なストーリー
 
砂漠のレイブで踊る人たち

本作は第98回アカデミー賞にて5部門でショートリスト入りし、 音響賞、 国際長編映画賞の 2部門でノミネートを果たし、本国スペインで異例の大ヒットを遂げた後、フランス、 イタリアなど公開の始まった各国で立て続けに大ヒットした。さらに第78回カンヌ国際映画祭(2025)で審査員賞、サウンドトラック賞、AFCAE賞スペシャルメンション、パルムドック賞の4冠を獲得。スペインのアカデミー賞といわれるゴヤ賞でも11部門ノミネートされた。
「『マッドマックス』 越えの衝撃体験!!!」「こんな映画は観たことない」「本年度ベスト」など観客、批評家の双方から熱狂的な支持を集めている。

【ストーリー】
砂漠で行われるレイブパーティに参加したまま失踪した娘を探すため、 父ルイスと息子エステパンは、モロッコの山 岳地帯から砂漠の奥深くへと車を走らせる。行き着いたのは、現実と幻覚が混濁するような野外レイプのカオス。 耳をつんざく重低音、 赤い照明の海、 沈黙を貫く父親の背中。 だがそこにはすでに娘の姿はなく、父と息子は、レイブ の参加者グループを追って、 娘が向かったと思われる次のレイブ会場を目指すことになるが.....。

【見どころ+】
まずは砂漠のレイブパーティ―のシーンに圧倒される。巨大なスピーカーがいくつも並び、地響きのような大音量でクラブミュージックが流れる。観客はその異次元の重低音を全身に浴びて泳ぐように身をくねらせ踊り没入する。砂漠のレイブシーンは圧巻だ。そして、父親のルイスは息子の少年エステパンを伴って、失踪した娘がレイブに参加していたという情報をもとに、娘を探すためにやって来る。レイブが終わった後にレイブを開催しながら砂漠を渡り歩いているグループに尋ねると、娘の行方は不明だったが娘がいるかもしれない次の会場を目指して、車で過酷な砂漠の旅に同行する。そこで待ち受けるドラマがなんとも過酷で衝撃的だ。現代の「Sirāt」(シラート)とは「天国と地獄をつなぐ橋」ということだが、その橋を渡っているような砂漠の旅は最後まで目が離せない展開が続く。レイブ活動グループの中には手や足を失った者もいて、それは戦争の傷跡を連想させる。砂漠の地雷源と共に現在の世界の闇、戦争がもたらす破壊、理不尽さを強烈に描いているようにも見えた。大音量のミュージックとレイブで癒そうとしているのだろうか。そうしたいま世界が抱える闇、戦争が残す破壊と人間へのダメージなど様々な問題を内包した異色の作品になっている。

【クレジット】
監督: オリベル ラシェ 『ファイアー・ウィル・カム』
製作総指揮: エステル・ガルシア 製作: ペドロ・アルモドバル 脚本 オリベル ラシェ、サンティアゴ・フィジェル
撮影監督: マウロ・エルセ 編集: クリストバル・フェルナンデス 美術: ライア・アテカ
音楽: カンディング・レイ (デヴィッド・ルテリエ)
出演:セルジ・ロベス 『パンズ・ラビリンス」、ブルーノ・ヌニェス・アルホナほか
2025年/スペイン・フランス合作/スペイン語・フランス語・英語・アラビア語/115分/ビスタ/カラー/5.1ch/PG-12/日本語字: 杉田洋子/ Sirat /後: セルバンテス文化センター / 配給: トランスフォーマー
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6月5日(金)新宿ピカデリー、 ヒューマントラスト有楽町、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほかにてロードショー